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2019年登場。訪日客増加など、関西国際空港における需要の高まりを受け、関空特急「はるか」の編成増強を行うこととなり、増結用編成を増備するにあたって開発された特急型車両である。車体形状は287系をベースとしているが、こちらは窓上の前照灯が省略されている他、前面貫通扉の下部が窪んだ「インバースデザイン」と称される構造となっている。塗装は「はるか」に使用されることから白地を基調に青色が各所にあしらわれた、281系と同系統のものとなった。323系に準じて、制御方式はフルSiC-VVVFインバーター制御で、制御装置は補助電源装置と一体化されている。主電動機は全閉式かご型三相誘導電動機が採用された。本形式も近年製造されているJR西日本の電車同様0.5M方式が採用されており、全て片側の台車にモーターを搭載した0.5M車両となった。運転台はグラスコクピットが採用され、計器類を二重化することで信頼性・冗長性を確保している。本形式は増結用途で製造された車両のため車内はモノクラスとなっており、客室部分は回転リクライニングシートが970oピッチで展開する。客室のカラースキームは281系、座席形状は683系4000番台のそれに準じているが、こちらはJR西日本の特急型車両として初めて全座席にコンセントが設置された他、車内案内表示器も初めて大型の液晶表示器が採用されている。また天井高さがそれまで最新であった287系よりも高くなっている。空港特急に充当されることから大型荷物の置き場も設けられているが、281系がデッキ部への設置であったのに対しこちらは客室内の端部に設置されている他、段数が2段に変更されている。サニタリースペースは中間車にあり、男子トイレや車椅子対応の洋式トイレ、自動水栓の洗面所等が設けられている。またセキュリティの観点から、防犯カメラが1車両あたり8〜9台設置されている。この271系はは3連6本が製造され、2020年3月のダイヤ改正から営業運転を開始した。営業運転開始前に全編成に「ハローキティ」のラッピングが施されている。しかし当時の情勢により「はるか」の利用客が激減したことで、わずか2週間後の同年4月には「はるか」の全列車が6両での運転となったことで、営業運転開始直後にも関わらず長期に渡り運用を離脱するという憂き目に遭ってしまった。2021年3月からは利用客の回復に伴い9連での運用も復活したことから本系列も運用に復帰し、以降は281系と混用されている。なお、通常は「はるか」のみに充当されるが、団体臨時列車としては広島県まで乗り入れた事例がある。
2024,03,09 三国ヶ丘 |