253系0・200番台
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253系0・200番台・1000番台
 1990年登場。成田空港直下へのJR線乗り入れが実現した事を受けて新設された空港アクセス特急「成田エクスプレス」へ充当すべく製造された直流特急型車両である。251系と同じく鋼製車体であり基本的性能も同車に準じているが、赤・黒・白の3色に塗られたその姿は従来にない姿であり、このカラーをもって「成田エクスプレス」としてのブランドカラーを築き上げた。分割・併合運用を主眼としたことから前面には貫通扉がつき、自動幌を用いて分割・併合が行われている。車内はコンパン社製の座席の採用、サンゴバン社製の側窓の採用等、外国メーカーのものを多用しており海外からの乗客にも受け入れられやすいよう工夫されている。ただし普通車の座席はボックスシートとなっており、大型の座席とはいえアコモデーションとしては他車と比べて見劣り感があるのは否めない。グリーン車は151系のパーラーカーに準じたものとなり、1・1座席あるいは1・2人掛け座席の千鳥配置とした開放室や、グリーン個室も設けられた。また荷物棚にはハットトラックを採用し、更に車内案内表示器を二段表示にして多カ国語に対応する等空港輸送用特急にふさわしいサービスを取り入れている。当初は3連のみ製造されたが、輸送力増強の観点から中間車も新たに製造され、3連と6連を組み合わせて運用を就いた。また、2002年に行われたサッカーワールドカップ輸送に関連して新たに6連2本が製造されたが、こちらは200番台と称した。0番台と比べ、普通車への回転リクライニングシートの採用、ハットトラックの廃止、行き先表示器へのLEDの使用など種々の変更点が生じている。尚、200番台の電装品は205系の5000番台化改造で不要となったものが流用されている。以降、3連9本6連14本という陣容となり、引き続き「成田エクスプレス」に使用された。2002年以降は従来車のリニューアルもなされ、グリーン車座席の換装及び一部車両の普通車化、普通車の集団見合い構造化等が行われたが、2009年以降新型車両のE259系へと置き換わることが決まり、先んじて3連車両が廃車されて次いで2010年までに6連車両も全て置き換えられた。200番台がVVVFインバーター制御車両へ改造の上1000番台として東武直通特急に転用され、3連2本が長野電鉄へと譲渡されているが、残りの車両は他線への転用もなく廃車解体された(1両のみ長野車両センターに保管されている他、カットモデルが保存された事例はある)。

 2008,02,15 船 橋


■Variation
 2002年に製造された200番台。外装は他の0番台に準じている。走行機器も205系からの捻出で賄われており、この時点では界磁添加励磁制御方式を踏襲した。ただし内装は全席回転リクライニングシートとなり、グリーン車開放室部分も2+1席での展開となるなど大きく変更されている。E259系の台頭で本系列の活躍が追われる中、200番台の2本のみ東武線直通特急に転用されることとなり2010年に1000番台へと改造された。

 2007,09,10 船 橋
2021/09/02