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1992年登場。混雑の激しい「湘南ライナー」の着席率向上と混雑緩和を目的として製造された、日本国内では初となるオールダブルデッカー車両である。車体構造はそれまでに実績のある211系の2階建てグリーン車をベースとしており、走行機器類を前後4両に集約させることによって中間車の全2階建て化を実現している。尚、制御電動車に関しては1階部分に機器類を搭載した為に1階部分に客用スペースはなく、客席は2階部分のみの配置となっている。車内はオールクロスシートとなり、グリーン車の座席は他の車両と大差ないものの普通車の座席にはフランスのコンパン社製のボックスシートが採用され、異彩を放っている。尚、JR東日本の近郊型列車では車内案内表示器を初めて採用している。このように内装・外装は他の車両にないものとなっているが性能は211系に準じており制御方式は回生制動併用の界磁添加励磁制御、また山岳線区での仕様も考慮し抑速ブレーキも搭載している。1993年までに10連4本が製造され、「湘南ライナー」と「快速アクティー」の一部列車に投入された。しかし「快速アクティー」では2扉車体が災いして乗降に難があり、2001年以降は湘南新宿ラインの新宿発着列車に転用された。ここでも2004年の全列車E231系化によってその運用を外れ、その後の定期運用は「湘南ライナー」の一部列車のみに限られている。ただし冬期を除く土休日には中央線のホリデー快速「ビューやまなし」に使用される他、各種臨時列車にも使用されており波動輸送用の側面も持つ車両となっている。尚、製造当時は5連の付属編成を製造する計画もあったが、実現していない。2021年3月のダイヤ改正で「湘南ライナー」が特急に格上げされたことで本系列は定期運用を失い、大半の編成がそのまま廃車されている。
2005,10,30 三 鷹★ |