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2017年登場。老朽化の進んでいるモハ50形の取り換えを目的に導入された、モハ2100形以来15年振りの新形式車両である。アルナ車両製で、同車の手掛ける低床電車「リトルダンサー」シリーズのうち、モハ2100形と同様の単行車タイプである「タイプS」が採用されているが、モハ2100形と比べて全長は50p、車幅は7p拡大している。前面は「乗ってみたくなる未来型流線形デザイン」をコンセプトに、曲面ガラスを用いた流線形の形状となっている。外装は「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」に基づき、窓回りを黒色としている以外は台車カバーを含めてオレンジ色一色となっている。行き先表示器は伊予鉄道で初めてフルカラーLEDとなった。側扉には戸袋を用いないプラグドアが採用された他、電装品(制御方式はモハ2100形同様のIGBT-VVVFインバーター制御方式である)の小型化及びそれに伴うコンプレッサーの床下から屋根部への移動、前述の車体寸法の見直し等の種々の工夫により、乗車定員はモハ2100形の47人から60人へと大幅に拡大した。車内はオールロングシートで、外装とは対照的にカラースキームはモノトーンとなっている。モハ2100形同様ロングシートの一部は折り畳み式となっており、折りたたむことで車椅子スペースに転換が可能となっている。また同車は製造当初より乗務員スペースの後部にデジタルサイネージが導入されたことから、天井には中吊り広告用の止め金具は備えられていない(後付けでデジタルサイネージが設置されたモハ2100形も現在は中吊り広告を備えていない)。また、車内照明にLEDを採用したことで、更なる省エネ化が図られている。なお、台車上の床面は高床構造となっているが、この部分にもロングシートが配されている。モハ5000形は2両が落成し、いずれも2017年9月に営業運転を開始した。2023年2月の時点では12両が製造されており、モハ50形を置き換えつつ新たな主力車両として勢力を伸ばしている。既に伊予鉄道の軌道線車両については稼働両数で最も多い形式となっている。
2018,11,23 松山市駅前 |