モハ2100形
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 2002年登場。老朽化した50形の一部置き換えと、車両のバリアフリー化を図る目的で製造された車両である。アルナ工機及び後身のアルナ車両が開発した超低床車両「リトルダンサーシリーズ」の一車両であり、また狭軌線用の車両では初の国産超低床車である。既存車と車長が揃えられる点、松山市駅の折り返し線がボギー車1両分のみ対応している等の理由から、単行ボギー車のスタイルである「リトルダンサータイプS」が採用されている。この「S」は「Short」を表し、車両の端部に台車を寄せ、台車間の床面高さを350mmまで低くすることで超低床化を図ったものである。機器流用車でも対応できる利点があるが、台車上に段差があり、更に通常のボギー車に比べて定員が少ないことから、現在のところ営業線で採用しているのは伊予鉄道が唯一となっている。駆動方式は車体装架カルダン駆動方式、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、伊予鉄道の軌道線では初の高性能車であると共に、鉄道線も含めて初めてのVVVFインバーター制御車両となった。また主幹制御器も、伊予鉄道では初めての右手ワンハンドルマスコンが採用された。車内はロングシートとなっており、一部に折り畳み座席を採用することで、車椅子スペースを確保している。制動は電気指令式ブレーキに加え、回生・発電ブレンディングブレーキを併用している。台車上の段差部分に運賃箱が設置されており、その奥にもロングシートを備えることで乗車定員を確保しているが、前述のとおりそれでも定員は他車に比べて小さく、50形と比較した場合、定員はその6割となっている。モハ2100形は2007年までに10両が製造された。2005年製の車両からはSIVやCP等の電装品及びその構成が変更される等、製造時期によってはマイナーチェンジがなされている。伊予鉄道の新たな顔として、既存車と共に主力車両の一つとして活躍している。

 2013,12,31 道後温泉


■Variation
 全面広告ラッピングが施されていた2107号車。広告を取り付ける場合、既存の車両では車両の一部に広告を貼り付けるということが主流となっていたが、モハ2100形では従来通りの一部に広告を貼り付けるスタイルに加え、全面広告ラッピングもなされるようになっているが、このラッピングは基本的に流動的であり、一定期間後は元の塗装に戻るか違う広告が貼り付けられる。

 2013,12,31 道後温泉
 「御栗タルト」のラッピング車両となっていた2103号車。2004年までに製造された6両は機器構成が後期車4両と異なっており、屋根上の機器配置等が外観上の差異となっている。

 2015,08,22 道後温泉
 「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」に基づき、2015年に塗装変更された2101号車。窓周りは従来通り黒色となっているが、それ以外の部分についてはオレンジ色一色になり、前面には新たに制定された「IYOTETSU」のロゴマークが記されている。この塗装変更後も全面ラッピングが施された車両も存在する。

 2015,08,22 松山駅前
 2007年、最後に増備された2110号車。同車を最後にしばらく軌道線では車両新造が途絶えている。なお、本町線は2018年3月より始終着が道後温泉から松山市駅前に変更されている。

 2018,11,23 松山市駅前