36-Z形
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 2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道は、3年後の2014年4月には全線の復旧を果たした。その際、イベントにも用いることのできるお座敷車両を北リアス線に導入することとなり、それにより導入された車両が36-Z形であり、「さんりくはまかぜ」の愛称を持つ。1両のみが新潟トランシスで製造された。車長は20.5mで、デザインは同時に製造された南リアス線用の36-R3号車に似たものとなっているが、こちらは「岩手まるごと博物館」をコンセプトとし、古民家をイメージした茶系のデザインでまとめられている。形式のZは「座敷」の頭文字からとられており、前面にも「座」の文字が入れられお座敷車両であることを現している。また、同時期に製造・改造された三陸鉄道の車両と同じく同車の製造費もクウェート国からの復興支援基金が充てられているため、前面にクウェート国の国旗、側面に感謝メッセージが貼り付けられている。基本的な性能は36-700形に準じており、エンジン出力は330PSとなっている。尚、制動は電気指令式ブレーキとなっているため、36-700形との併結が可能だが、36-100系列とは併結運転は行えない。車内はボックスシート調となっているが、座面が全て畳敷きになっており、座席間には大型テーブルを備える。テーブル下は空洞で掘り炬燵の様になっており、実際に冬季には「こたつ列車」としてこたつとして使用することもある。このため着席の際は土足を脱ぐ必要があり、座面の下には靴入れが備えてある。盛方の前面には車いす対応の大型トイレが備え付けられてあり、その前には立ち席スペースながら囲炉裏が設けられている。この他団体利用に備えた大型モニターが端部に取り付けられている。この36-Z形は2014年4月の北リアス線全線復旧にあわせて営業運転を開始した。団体利用の他、土休日を中心に36-700形を併結して座席指定車両として用いられることが多い。なお、2019年の旧山田線区間復旧に伴い、南リアス線であった盛〜釜石間でも使用されるようになった。

 2019,06,15 宮 古


2020/01/05