36-R形
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 2005年登場。それまで三陸鉄道で使用されていたレトロ調車両である36-300形・36-400形が老朽化したことにより、その置き換えを目的に製造された車両であり「さんりくしおさい」という愛称を持つ。当初は36-600形という形式で落成された。新潟トランシスで製造された全長20.5mのNDCと呼ばれるシリーズの一車両であるが、先代車両の特徴である「レトロ調」というコンセプトを引き継いでおり、鳶色を基調とした車体色とダブルルーフが特徴となっている。前面のテールライトはカンテラ調のものが上部左右に取り付けられており、この特徴も引き継いでいるが、ヘッドライトは上部中央にシールドビーム2灯のものが取り付けられており、この点はいすみ鉄道のいすみ350形等と似た造形となっている。また、他車との連結を考慮したことから車両は両運転台構造となり前面には貫通扉が設けられ、他車と連結した際には通り抜けができるようになっている。エンジン出力は330PSであり、ボルスタレス台車を採用しているが当初の制動方式は自動空気ブレーキが採用されていた。車内はオールクロスシートとなっており、座席はモケットが赤系の模様付きのものとなった。また化粧板は木目調となりシャンデリア調の天井照明や壁掛け照明は白熱灯調の色合いとなっており、内装も総じてレトロ調にまとめられている。団体・イベントでの使用も考慮されており、各座席には大型のテーブルが設けられた他、モニター装置やAV装置、冷蔵庫等も備えている。同形式は2006年までに2両が製造されたが、前述のとおり登場時は36-600形という形式であり、同じ自動空気ブレーキを採用する36-100系列と併結運転を行うこともあった。東日本大震災を経て、2014年の全線復旧時に電気指令式ブレーキを備える車両が北リアス線にも導入されるのにあわせてブレーキ方式を電気指令式へと変更する改造がなされ、以後は同時期に製造された36-R3形に合わせて36-R形36-R1・36-R2号車へと改番されている。尚、この車両の改造費にもクウェート国からの復興支援基金が充てられているため、現在は同車の前面にもクウェート国の国旗が貼り付けられている。現在は36-700形と併結運転を行うことも多く、2014年8月には同車を併結した状態でJR山田線への乗り入れも行われている。

 2014,05,04 久 慈