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ホム1形は1967年に近江鉄道より譲渡を受けた、15t積みの2軸ホッパ車である。そのルーツは1914年に石川島播磨造船所で製造された小倉鉄道のセム1形にあり、筑豊炭田から産出される石炭輸送に用いられた。小倉鉄道は後の日田彦山線の一部及び添田線であり、1943年に国有化されているが、国有化に際してはセム3750形に形式変更されている。国鉄廃車後に西武鉄道、近江鉄道と経て前述のとおり北陸鉄道に入線した。当初は能美線の本鶴来〜岩本間に位置した側線に常駐して主にバラスト輸送に用いられたが、1980年の能美線廃止後は石川線用のホッパ車となった。しかし、あまり稼働せず長期に渡り鶴来駅構内に留置されていた。ただし、車籍自体は2007年までは残っていた。除籍後もしばらく鶴来駅構内で留置された後、2010年には個人に譲渡されて一旦JR伏木駅構内に移設され、同地でしばらく保管された。伏木ではイベントにて機関車牽引で走行する機会もあったが、その後能美線で使用されていた実績及び大本の車両の製造から100年が経ったことから能美市に譲渡されることになり、2015年以降は、3760形と同様「のみでん広場」(能美線辰口温泉駅跡)で静態保存されている。
2009,03,12 日御子〜鶴 来 |