8000系
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 1996年登場。北鉄金沢駅地下化に伴う車両不燃化対策と車両冷房化推進のために、1000系によって置き換えられた元京王3000系を譲り受けたものである。1998年までに2連5本の10両が竣工したが、うち2本は1962年から翌年にかけて製造された、片開きかつ袖絞りのない狭幅車であり、こちらは8800番台に、残りの袖絞りのある広幅車は8900番台に区別されている(ただしこちらも1963年〜1964年製の初期製造車両があてがわれている)。元々京王時代は制御車であったものを中間電動車の機器を制御車に流用することにより電装化し、新たにパンタグラフを取り付けた。譲渡に際しワンマン化改造がなされ、更に寒冷地を走行することからスノープラウ・扉の半自動化がなされている。また、京王時代は7色に分かれていたFRP部分の塗装は北陸鉄道のコーポレートカラーであるオレンジに統一された。この他8800番台では側面への行き先表示器の新設も行われている。この8000系は1996年12月に営業運転を開始した。元々浅野川線は石川線と同じく直流600Vとなっていたが、本形式の投入に際し1500Vに昇圧されており、在来車は一気に淘汰された他、ワンマン運転も同時に開始されている。この状態で2001年の北鉄金沢駅地下化を迎えており、8000系は20年以上浅野川線の主力車両として使用された。いずれの編成も製造から55年以上経っており、2020年より東京メトロから譲受した元03系により置き換えられることとなった。なお、8800形第2編成は、引退を前に京王時代に近いアイボリーホワイト色の前面、帯色に変更された他、2023年からは8800形第1編成も京王時代と同じブルーグリーン色に変更されている。

 2009,03,11 蚊 爪〜粟ヶ崎


■Variation
 一般的に「8800形」と呼ばれる8800番台。京王3000系のうち狭幅車は1962年製の2本しか在籍せず、その先頭車全てが北陸鉄道に移籍してきたことになる。初期のステンレスカーとして全国的に貴重な存在である。尚、側面に方向幕がなかったことから譲渡に際し乗務員室背後の窓に行き先表示器が新たに設けられている。

 2022,06,17 蚊 爪〜粟ヶ崎
 03系の投入が進み、8000系最後の1本となった8801編成。北陸鉄道創立80周年を記念し、2023年4月より京王時代に纏っていたブルーグリーンを基調とした姿に改められた。行き先表示についても一時期の京王井の頭線で見られた隷書体が再現されている。なお、8802編成についても引退前に京王時代に纏っていたアイボリーホワイト基調の姿に復元され有終の美を飾っている。

 2023,07,31 七ツ屋

2023/08/02