1500系
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 1983年登場。老朽化しておりATSにも対応していなかった320形の置き換えなど、車両の体質改善を図る目的で導入された車両である。元は1962年以降に製造された阪急2100系(一部2000系・2021系出自車もあり)で、24両が能勢電鉄に譲渡された。それまでの能勢電鉄の車両は全長15m級の釣り掛け駆動車両が幅を利かせていたが、こちらは能勢電鉄の車両では初の全長19m級車両及び、WN駆動を採用した初の高性能車両となった。譲渡に際しては既存の前面を活かしつつ、新たに電動方向幕を設置した。また導入当初は能勢電鉄の電圧が直流600Vであったことから降圧化工事がなされており、台車は種車のものから廃車発生品に換装されている。当時は川西能勢口駅が地上にあり、付近に半径40mの急カーブが存在した(故に能勢電鉄ではそれまで15m級車両までしか入線できないといわれていた)が、同所の通過に対応すべく、連結面の間隔が通常より80o拡大された。元々阪急2100系は全車とも非冷房だったが、能勢電鉄への譲渡に際して冷房装置を搭載し、初の冷房車両となった。1995年の昇圧に際しては再び直流1500Vへの対応がなされ、1996年の川西能勢口駅高架化に際しては連結面間隔が標準に戻され、同時期のワンマン運転開始にあわせたワンマン化対応がなされるなどの変遷を経ている。1997年の山下〜妙見口・日生中央間区間運転開始に際しては第1編成を2連2本に分割することとなり、4連5本、2連2本の陣容となった。なお、分割に際しては中間車に運転台を増設したが、デザインが変わり3100系と類似したものとなっている。因みに1500系の導入時はマルーンとクリームのツートンカラーであったが、その後塗装変更を3度繰り返し(その間にも試験塗装への塗り替えもあり)、2003年以降はリバイバルカラー以外阪急と同じマルーン一色に統一されている。長年に渡り主力車両の一翼として使用されたが、2015年から5100系の導入に伴い廃車が発生し、翌年6月までに全車廃車されている。カットモデルとして保存された車両もある他、1554Fの2両は三菱重工業三原製作所に譲渡され、同地で試験車両に転用されている。

 2014,09,15 平 野


■Variation
 1997年の区間運転開始に合わせ、第1編成を分割して誕生した1560F。運転台を増設したその姿は同時期に導入された3100系と同一のデザインである。長らく他車と同じ塗装を纏っていたが、2008年以降は往年の塗装を再現したリバイバルカラーとなり、2013年以降はかつて国鉄連絡線で活躍した50形を模した白と青のツートンカラーとなった。この編成は1500系の中で最後まで残り、この姿のままで廃車を迎えている。

 2014,09,15 山 下