900形
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 元々は1955年に登場した大阪市電2601形で、1969年の路線縮小時に、ワンマン化改造されていた14両が広島電鉄に移籍した。大阪市電2601形は高性能車3001形と同等の車体に旧型車の廃車発生品などを組み合わせた全長12.5m級の車両で、制御方式は直接制御、駆動方式は釣り掛け駆動方式であった。同車は広島電鉄では初のワンマン対応車両であり、それ故その機器を活かして白島線において広島電鉄では初のワンマン運転が行われた(ただし当初は一部車両はツーマン仕様へと戻されており、後年に全車ともワンマン化改造が施されている)。この車両は広島電鉄での塗り替えが行われずに現在も大阪時代の塗装を堅持しているが、同じく元大阪市電の750形共々現在は下部がえび茶色となっており、往時とは若干異なる。また一時期は前面警戒を目的に車番付近を黄色い菱形模様に塗装していた。1986年以降一部車両が冷房化されており、それに伴い主電動機の出力増強及び方向幕の電動化もなされた。冷房化されずに存置された車両は1977年に火災で廃車された車両を含めて2000年までに廃車されたものの、金根まで冷房化された9両が在籍しており、大阪市電時代の面影を残しつつ白島線を含めた市内線全線で活躍していた。現在は1000形の増備に押され再び廃車が発生しており、2020年までに殆どの車両が廃車されて同年4月以降は913号車1両のみが現存する。以前は通年運行されていたが、現在は平日ラッシュ時主体の運用になっている。中でも1両は韓国で静態保存されるということで話題になった。

 2008,08,09 縮景園前


2021/11/24