貨50形
トップページ鉄道写真図鑑広島電鉄>貨50形
 貨50形は、運用を離脱していた元大阪市電の750形を種車に、花電車用の無蓋電動貨車へと改造を施したもので、1979年に2両が落成した。広電750形となった元大阪市電の車両は3形式存在したが、そのうち本形式への種車となったのは最も古い1601形の譲渡を受けた758・759号車であった。改造に際しては、主幹制御器より上部の鋼体が全て取り払われ、客室だった部分は乗務員スペースを除き荷台と化しており、側面には柵が取り付けられた。車体そのものは黄緑色に塗装されている。運転台部分や元々集電装置が設置されていた部分も全て上屋が取り払われているため、雨よけ等を兼ねて運転台上部にはビニールレザーが取り付けられている他、集電装置を取り付ける台が車体中央に設置されている(集電装置は既存のZパンタグラフをそのまま使用)。走行機器類は種車のものを継続使用している。花電車という用途の特殊性から、改造当初より定期での走行はなく、フラワーフェスティバルの時期などのイベント時に市内線各線を走行することが多かった。ただし現在は新鋭連接車の1000形にラッピングを施すことで代替するケースも多く、稼働は縮小傾向にある。それでも広島東洋カープの優勝に際しては記念の花電車として使用されるなど、その存在感を示している。なお、貨52号車は2013年に廃車解体されており、以降は貨51号車のみ現存し、通常は江波車庫に留置されている。

 2015,06,07 千田車庫