350形
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 350形は、1958年にナニワ工機にて3両が製造された自社発注車両である。もともとは850形という形式であり、登場時は市内線から宮島線への直通運用に使用された車両である。1955年に製造された550形同様の全金属製車体だが、350形と同じく宮島線への直通用に開発された551号車が間接制御方式・カルダン駆動方式の高性能車として開発されたのに対し、こちらは保守面の観点から釣り掛け駆動方式に戻された。市内線で使用される車両としては唯一間接非自動制御方式が採用されており、前述の通り鉄道線である宮島線への直通を行うため、高速運転に対応すべく主電動機は同時期の市内線車両よりも出力が増大し、最高速度は60km/hとなっている。1971年に現在の形式に変更されたが、その時期になると後継の連接車両が台頭したことから、既に活躍の場を市内線に移していた。1975年にはワンマン化改造、更に1984年には冷房化改造(改造に際し、補助電源用のSIVが屋根上に設置された)が施されて現在のスタイルとなり、登場から50年を越えた現在も3両とも現役で使用されている。同じく自社発注車の650形が基本的にラッシュ時中心の運用となっているのに対し、こちらは基本的に曜日・時間帯を問わずに市内線全線で活躍している。なお、近年まで3両とも千田車庫に所属していたが、2020年になり351号車・353号車の2両は江波車庫に転属し、その後2023年に廃車されたため、現時点では352号車のみが残存している。

 2008,08,09 元宇品口〜広島港


■Variation
 シングルアームパンタグラフに換装された350形。350形では352号車のみ2022年にシングルアームパンタグラフに換装された。この時点で江波車庫所属となっていた2両は換装されないまま運用を離脱し荒手車庫に回送され、翌年3月に廃車されている。

 2024,02,26 中電前
2024/03/06