3000系
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 1964年登場。阪急神戸線では神戸高速鉄道との乗り入れを控えて架線電圧を昇圧する事となり、それに対応した複電圧仕様の車両として製造された車両である。既に阪急では「オートカー」と呼ばれた2000系の複電圧仕様車である2021系を製造していたが、同車は機器類が複雑である保守に難のある車両となっていた。3000系ではその反省を踏まえて定速運転制御等の複雑な機構を廃しており、従来通りの抵抗制御方式が採用されている。尚、600V時代は1両単位での走行が可能となっていたが、1500V昇圧後はMMユニット方式となっている。1969年までに114両が製造されたが、その後2000系列の中間付随車が組み込まれた編成もあるので編成と車両数は一致しない。1975年以降に冷房化改造が開始され、特に1982年以降に冷房化された車両は6000系に類似した前面へとイメージチェンジされており、方向幕などの取り付けも行われている。原形前面のまま冷房化された車両にも順次この更新は施行されたが、途中で中断しており原形前面のままの車両も存置された。長らく神戸線・宝塚線のみで使用されたが、1988年からは今津線や伊丹線等の支線系統にも進出した。尚、阪神淡路大震災に際しては3100系に編入される車両とその代替で2071系から3000系へ編入された車両が現れている。近年まで全車在籍していたが、9000系の増備と1000系の登場に伴って本形式も置き換えが始まっており、神戸線では2012年、宝塚線では2014年までに8連を組む編成が全編成撤退している。ただし今津線の他支線系統ではその後もまとまった本数が在籍し、3100系共々今後しばらくは活躍を続けたが、1000系の更なる台頭により後継車両が支線系統に転出したことで更に淘汰が進み、2019年の時点では伊丹線用の4連1本が残るだけとなっていた。なお、方向幕未設置車に関しては、2011年に今津線に残っていた1本が廃車されたことで消滅している。残存していた1本も2020年2月に運用を離脱し、5月に廃車回送されたことで、3000系は55年超に渡る長き活躍に終止符を打つこととなった。

 2008,03,07 西宮北口


■Variation
 宝塚線に在籍する3000系は1995年以降に5100系と同じくスカートが取り付けられているのが特徴となっていた。3000系より前に製造されていた2000系列の中間車両を連結していた編成もあったが、これらを含めて2014年に全て運用を離脱している。

 2008,03,13 石 橋
 本線系統から運用を離脱した車両のうち、一部は4両編成や6両編成に組成替えの上、支線系統に転出している。箕面線には4連3本の3000系が在籍していたが、現在は全て前照灯がLED4灯化されている。因みにこの編成は元々上写真の宝塚線の編成だが、箕面線への転籍時にスカートは取り外されている。2016年には箕面線から撤退している。

 2014,09,15 箕 面
2020/12/28