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2007年初頭に営業運転を開始した、純国産製の車両としては全国初となる2車体連接の超低床車両である。車体はアルナ車両が手掛けるリトルダンサータイプC2と呼ばれるものが初めて取り入れられている。即ち8100形が部分低床であったのに際しこちらはフルフラットであり、車椅子や高齢者の利用にも配慮した造りとなっている。尚、他のリトルダンサーシリーズとは異なりプラグドアは採用されず、通常の引き戸・折り戸が採用されている。制御方式もIGBT-VVVFインバーター制御方式となったことで従来車に比べ静粛性が増している。尚、従来の「リトルダンサーシリーズ」では、タイプA3を筆頭に殆どの既存車両で電動バネブレーキを搭載したことで空気ブレーキが廃されたが、こちらは運転取り扱いを考慮し空気圧縮機が搭載され制動は通常の電気指令式ブレーキとなった。これに際しては、従来別々に備えられていた制御装置と補助電源装置を一体化した「C-PCU装置」が採用されたことで、空気圧縮機を搭載できるスペースを捻出している。また、既存車と運転特性を揃える為にマスコンは「リトルダンサーシリーズ」では初めてツーハンドルマスコンとなった。9600形は「らっくる号」の愛称が付けられ函館市電のシンボルとして活躍を開始した。2010年に1編成、2013年に1編成、2018年に1編成、2023年に1編成がそれぞれ増備され、現在は5編成が函館市電のフラッグシップとして活躍している。尚、今後も増備の計画があり、計画によっては今後も本数は増えて行く予定である。現在に至るまで低床車両は特別なダイヤが組まれており、8100形と共通の運用に当たる。
2007,09,07 函館駅前 |