8000形
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 8000形は1990年に登場した800形の車体更新車である。それまでに登場した710形や500形の更新車に準じた軽快電車タイプの車体をアルナ工機で製造しているが、下回りは800形から流用されており、駆動方式も釣り掛け駆動方式となっている。同車では初めて行き先表示幕にローマ字が入れられ外国人観光客に配慮した他、乗降扉におけるステップ数を増やしてより乗り降りがしやすくなっている。また滑走防止用の砂まき装置も取り付けられ、安全確保が図られている。ただし現在に至るまで冷房装置は取り付けられていない。1997年までに8両が竣工し、主力車両として活躍している。尚、製造年次によっては側面方向幕の有無や大きさなど、若干の差異が生じている。しばらくは8両の陣容のまま推移したが、8100形への転換計画が頓挫したこともあり、2012年に実に15年振りに1両が新たに竣工した。同車は表示器にLEDを使用しただけでなく、ライト形状が丸型になるなど従来車との差異が生じている。同年中に更に1両が追加改造されており、8000形は現在10両の陣容となっている。残る800形は現時点で更新対象から外されており、710形を車体更新した7000形が竣工していることから、2022年の時点でも10両のまま推移している。なお、初期車の製造からは25年以上が経過していることから、2016年以降は順次車体改修が行われている。2016年から翌年にかけ8001号車が前照灯やLED表示器の換装をはじめとする改修工事がなされたが、2000形や3000形が京王重機での改修であったのに対しこちらはJR北海道五稜郭車両所で、札幌交通機械により行われている。なお、後年に改修された車両では、五稜郭車両所の廃止に伴い札幌市にある札幌交通機械の工場まで移送され、同地で改修作業を受けている。2024年までに8008号車までの改修が行われた。

 2007,09,08 函館駅前


■Variation
 1993年に製造された8004号車以降の車両は側面にも大型方向幕を有する。この装備は以降の新造車両にも共通する装備となった。なお、8002号車、8003号車は中扉の横に小型の方向幕が設置されていたが、後に使用停止の措置がなされている。

 2007,09,07 十字街
 コーヒーショップの全面広告を纏っている8005号車。前述のとおり側面にも方向幕を有していたが、前面の方向幕を換装する際に側面の方向幕は使用停止の措置がなされ、埋められている。

 2016,01,10 昭和橋
 全面広告を纏っていない状態の8005号車。白と黄緑のツートンカラーが本来の地色だが、大半の車両が全面広告を纏うため、この姿の車両は少ない。2022年時点で、改修が済んでいない8005号車、8007号車の2両がこの姿となっていたが、2024年までに8008号車までの改修が終了し、更に改修後は再び広告を纏うようになったため、この姿は見られなくなっている。

 2022,09,16 駒場車庫前
 大規模改修が施された8001号車。外観では灯具類や表示器のLED化(特に運行系統番号を表示する部分はフルカラーLED)が行われている他、側面の表示器も大型化及びLED化の上で復活している(8001号車は新設、8002、8003号車は8004号車以降と同じ位置に移設)。車内のレイアウトは改修前と大きくは変わっていないが、スタンションポールの増設やモケットの貼り替え、車内照明のLED化、車内案内表示器の液晶表示器への交換などが行われている。これらの改修は2000形や3000形の改修車両と同様であるが、8000形の改修は札幌交通機械により行われている。

 2022,09,16 駒場車庫前
 大規模改修後もジャックスカードの全面広告を纏う8006号車。灯具の大きさが施工時期により異なり、後年に改修を受けた本車は上の8001号車と比べて前照灯が大型化している。

 2022,09,16 駒場車庫
 2012年、実に15年ぶりに製造された8000形。8009号車以降は基本的な形態は既存の8000形に準じているが、既に製造されていた8100形の意匠も取り込まれ、前照灯・尾灯が丸形化されている。前面・側面とも行き先表示器は当初よりLEDのものが採用されており、新たに車外スピーカーも新設されている。車内の運賃表示器は液晶のものが採用されており、この点も既存の8000形にはない点となっている。現在このグループは2両の陣容で、当初は3両になる予定だったが、車体更新が710形を改造した7000形に移行したことに伴い2両のまま推移している。

 2016,01,10 五稜郭公園前

2024/11/18