3000形
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 1993年、2000形と同時に登場した完全新製車両である。2000形同様のGTO-VVVFインバーター制御車両であるが、3000形は函館市交通局の車両としては初めて冷房装置を搭載しているのが特徴となっている。車体は2000形に準じているが、2000形の2001号車とは異なってこちらは側窓が一段下降式であり、より洗練されたデザインとなっている(ただし、1994年製造の2002号車は3000形とほぼ同一の車体となっている)。また、初期に製造された2両のみ紺色を基調としつつ白いラインが配されたデザインとなっており、「マリンブルー号」という愛称がつけられていた。車内はオールロングシートで、既存の車両と異なり座席端のみならず座席間にもモケット付きの肘掛けが設置されている点が特徴である。この3000形は1996年までに4両が製造され、前述のとおり冷房装置を搭載したことから、夏場における旅客サービスの向上につなげた。尚、3000形以降完全新製車は9600形まで登場せず、また8100形の登場までのしばらくの間冷房車は3000形4両のみとなっていた。現在も4両とも変わらずに在籍しており、2016年の3002号車を皮切りに順次車体改修が行われ、2020年までに全車に対して施工された。なお、後期に改修された3003・3004号車の2両は、車体改修に併せて制御装置が換装されており、東洋電機製のハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御装置を搭載する。その他の車両も漸次制御装置の換装が行われている。

 2007,09,06 大 町〜函館どっく前


■Variation
 2015年から2016年にかけて車体改修が行われ、印象の変わった3002号車。外観上は灯具・行き先表示器の換装が大きな違いとなっており、前照灯は函館市電の車両として初めてLED灯となり、行き先表示器も運番を表示する部分はフルカラーLEDが初めて採用された。車内は座席モケットの張替が行われた他、9600形や8000形増備車で使用されている液晶表示器が導入された。今後、2000形や8000形初期車も合わせ、同様の改修が行われる予定となっている。尚、同車の改修は京王重機によって行われており、工場への移送時などは都内をトラックで牽引される珍しい姿が見られた。

 2016,05,05 函館駅前
 同じく車体改修後の3003号車。改修後も引き続いて「五勝手屋本舗」の全面広告を纏う。改修時期の違いにより、上の3002号車とは灯具が異なっている他、こちらは改修時に制御装置の換装もなされており、ハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御方式となった。

 2022,09,16 駒場車庫前
 登場時の塗装に復元された3001号車。3000形の登場30周年・函館市電開業110周年を記念して2022年末に塗り替えられた。紺色を基調に白の帯が入ったこの姿は車体広告導入以降見られなくなり、今回25年ぶりの復元となった。オリジナルでは窓下に「マリンブルー号」と愛称が表記されていたが、今回の復元では窓下の愛称表記は省略されているが、代わりに表示器がLED化されていることを利用し、LEDで「マリンブルー号」と表示されるようになった。

 2024,11,17 十字街

2024/11/17