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1924年登場。上信電鉄の改軌及び電化開業に合わせ導入された電気機関車であり、3両が導入された。この機関車はドイツ製であり、車体がシーメンスシュケルト、電装品がMAN社にて製造されている。車体は全長10m弱のスマートな凸型であり、前面中央部には通風孔が備えられている。また登場時より黒一色に塗装されている。ヘッドライト位置の変更やパンタグラフの換装、更に1985年にはATSが設置されるなど後天的な改造もあるものの、基本的なスタイルは登場時のまま殆ど変らずに推移しており、それ故「上州のシーラカンス」という異名を持つ。制御方式は電気機関車としては標準的な抵抗制御方式、駆動方式は釣り掛け駆動方式だが、自重に比して出力が比較的小さく、運用時は重連で走行する機会が多く見受けられた。それ故、当時の電気機関車としては珍しく登場時より重連総括制御に対応している。1986年にはエバーグリーン賞を受賞しており、70年もの長きにわたって貨物輸送の主力機として活躍したが、1994年の貨物輸送の廃止によって1両が廃車され(その後静態保存)、残る2両も工事列車やイベント列車牽引等に活躍の場が移っている。2007年に脱線事故を起こしてからは休車状態となっていたが、2011年の群馬デスティネーションキャンペーンに合わせて修繕が施され、2011年4月に運用に復帰した。車籍を有し、且つ本線の自走が可能な電機としては最も古参な部類に属する電気機関車の1つであり、群馬県近代化遺産にも指定されている貴重な存在となっている。
2012,08,23 高 崎 |