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7700系は養老鉄道の車両体質改善を図る目的で導入された車両である。元は東急7700系で、最後まで東急に在籍していた3連6本のうち、15両を譲受のうえ改造を施している。全長18m、片側3扉のオールステンレス車両であり、ステンレス製車両の導入は養老鉄道では初の事例となる。外装は東急時代と大きな変更はなく、車両番号もそのままとなっているが、排障器が増設された他集電装置がシングルアームパンタグラフに換装されている。この他使用しない運行番号表示器が撤去された他、行き先表示器の表示方法が改められている。車外スピーカーはそのまま活用され、東急時代と同じ注意喚起自動放送が流れる。外装は東急時代の赤帯、赤歌舞伎に加え、養老鉄道オリジナルの緑帯、緑歌舞伎を加えた4パターンとなった。制御方式は東急時代と同じくGTO-VVVFインバーター制御方式で、かつて同形式が導入されていた十和田観光電鉄とは異なり、回生制動も活用されている。主幹制御器も東急時代同様のワンハンドルマスコンハンドルだが、VVVFインバーター制御方式、回生制動、またワンハンドルマスコンハンドルのいずれも養老鉄道では初の新機軸となっている。車内は種車の内装をベースとしているが、全ての車両で瓢箪をモチーフにした緑系(優先席は青系)のモケットに換装されている他、床材も全て貼り替えられている。また3連を組む編成では中間車の片側に転換クロスシートが導入され、セミクロスシートとなった。また、運賃収受型のワンマン運転に対応し、乗務員室後部には運賃箱と液晶式の案内表示器が取り付けられた。この他車内照明は全てLED灯に換装されている。7700系は全車両とも東急テクノシステムから大垣車庫までトレーラーで陸送されており、近鉄塩浜研修車庫での改造を経て、2019年4月から営業運転を開始しており、2020年までに3連3本、2連3本が導入された。なお、東急7700系は元々東急7000系として製造されており車体そのものは製造から既に50年以上経過しているが、運用開始後30年程度の使用が見込まれている。
2019,07,16 大 垣〜 室 |