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2016年、長良川鉄道では沿線の観光開発と需要促進を目的に、2003年に廃止されたトロッコ列車以来となる観光型車両を導入することになり、ナガラ300形のうち2両を種車として大規模な改造が施された車両が「ながら」と称される観光型車両である。ナガラ301号車が「森号」、ナガラ302号車が「鮎号」という愛称がつけられ、いずれもトータルデザインは水戸岡鋭治氏による。車体は既存のナガラ300形よりも明るいロイヤルレッドを基調とし、水戸岡鋭治氏が手掛ける鉄道車両によくみられる独特のレタリングが施されている。車内は天井、床、いす、テーブルなど随所に岐阜県産の木材が多用されている他、郡上八幡製の暖簾や一宮製の布生地等、沿線周辺地域の生産物も用いられている。「森号」は後述のビュープラン(食事なしプラン)用の車両で、4人掛けのボックス席を中心にソファ席や窓向きカウンター席も設置され、ホテルラウンジに近い空間となっている。「鮎号」は食事つきプラン車両と言う位置づけであり、2人掛けボックスシート、4人掛けボックスシートの他、窓向きにテーブルと椅子が配置されたカウンター調のスペースも用意されている。ボックス席についてはカーテンで仕切ることができ、半個室調にすることが可能となっている。いずれの車両にも車端部にカウンターが設けられ、飲み物やグッズ等の販売が行われている。なお、改造種車同様トイレは設けられていない。この「ながら」は2016年4月に、時刻表に掲載される臨時列車扱いとして営業運転を開始した。食事つきプランと食事なしプラン(ビュープランと称する)の2つが設定されており、前者の場合乗降駅が限定され、基本的には美濃太田→郡上八幡間がランチプラン、郡上八幡→美濃太田間がスイーツプランとなり、沿線及び長良川沿いのレストランやホテルのコック、パティシエが手掛ける沿線地域の食材を使用したランチやスイーツが楽しめる。後者は別途乗車整理券を購入するのみで乗車でき、途中駅での乗降が可能となっている。なお、当初はナガラ300形2両のみの陣容であったが、2018年にはナガラ500形を改造した車両も1両追加され、「ながら」としては3両となった。ただし基本的に時刻表掲載の「ながら」はナガラ300形による充当となっている。
2023,06,10 関 |