アケチ10形
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 1997年登場。老朽化したアケチ1形の置き換えと、車両冷房化によるサービスアップを目指して製造された車両である。既に1989年には冷房車のアケチ6形が投入されていたが、アケチ6形が従来からのバス車体工法を利用したLE-carだったのに対しこちらは一般的な鉄道車両の車体工法であるLE-DC車体を採用した。従来のLE-DCよりも機関出力が向上している他、パノラミックウィンドウや上部固定式側窓の採用等デザインも変更されているが、この車体が以後に製造されるLE-DCシリーズの標準車体となり、その礎を築いたと言える。また、急勾配を多く抱える路線故に二軸駆動であり、砂撒き装置も備えるなどそれに対応した形になっている。1999年までに全5両が製造されアケチ1形を置き換えると共にアケチ6形をも予備車とした。このうち3両がセミクロスシート、2両がロングシートの内装となっている。2017年からはアケチ6形の置き換え用に導入されたアケチ100形も在籍しているが、同車はブレーキ方式の違いから既存形式との併結ができないため、アケチ10形は依然として主力車両として活躍している。なお、1両が2018年に廃車となった他、残存車についてはセミクロスシート車のロングシート化がなされている。

 2008,08,13 恵 那


■Variation
 寒天づくしのヘッドマークを掲げるアケチ14号車。明知鉄道では沿線の山岡町名産品である寒天を懐石料理にして車内でふるまうイベントが昭和時代から行われており、四半世紀近くに及ぶイベントとして根付いている。第3セクター鉄道の振興策としてはかなり早いものであり、現在もなおそれが続いている事は特筆できよう。この他にも「じねんじょ列車」等数々のイベント列車が実に週4〜5日ものペースで運行されており、同鉄道を象徴する存在となっている。現在これらイベント列車は「食堂車付き急行」とくくられており、それにおいても話題を提供している。因みに写真のアケチ14号車はロングシートであり、このような列車には優先的に使用される。

 2008,08,13 明 智
 恵那市の「セントラル建設」のラッピング車両となっていたアケチ12号車。同車のみならず、地元企業の広告車両も増えている。なお、このアケチ12号車はアケチ102号車に置き換えられ、2018年に運用を離脱している。同車は最後までセミクロスシートで存置されており、同車の離脱により明知鉄道の車両は全てロングシートとなった。

 2018,10,08 明 智