AT-350形
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 2009年登場。老朽化が進んでいた初代トロッコ車両のAT-300形を置き換えるために新潟トランシスで製造された二代目トロッコ車両である。この時期に製造されている一般的なNDCと同じく、全長18.5mの普通鋼製となっている。本形式は前述のとおりトロッコ車両であるため、側窓が着脱可能なオープン構造となっており、また運用上単独での運行を行わないため片運転台構造となっている点が特徴である。前面は貫通構造となっており、貫通扉上に前照灯を4灯、窓下に丸型の尾灯を左右一灯ずつ備える。塗装は公募で選ばれたものが採用されており、芦ノ牧温泉駅の名誉駅長(駅猫)の「ばす」のイラストが描かれている。車端部は前後に連結する車両にあわせた塗装がなされており、会津田島側が黒基調、会津若松方が紺基調に塗装されている。台車はボルスタレス台車を搭載するが、本形式は他の新型気動車とは異なり自動空気ブレーキの車両と併結して走行することから、制動には自動空気ブレーキが採用されている。機関出力は、連結する他車よりも高い330PSとなっている。なお、同車はカミンズ製ではなく新潟原動機製の期間が採用されている。車内はボックスシート基調で端部には2人掛けのロングシートも備えている。会津若松方は運転台がないが、当該部分は車内販売スペースとなっており、乗務員用扉が備えられている。座席は明るい茶系、床は明るい青紫、化粧板は木目調と、先代のAT-300形よりも明るいカラースキームとなっている。また鴨居部に飾られたイラストと壁・床にある肉球は蓄光シートとなっており、トンネル内等で緑色に光る。因みに同車のトンネル走行時は、蓄光シートが光る他、プロジェクターを用いてトンネルシアターの上映が行われている。なお、同車は暖房装置は備えるが、夏季は窓を開放して走行する仕様上冷房装置は備えていない。また連結するAT-400形がトイレを備えることからトイレは設けられていない。AT-350形は2010年2月に営業運転を開始した。2012年からは臨時運用ながら野岩鉄道・東武鉄道にも乗り入れるようになり、先んじて東武線への直通対応機器が追加搭載されている。当初はAT-103号車とAT-401号車に挟まれての運用が多かったが、AT-103号車の引退後は専ら会津田島方の先頭に立つようになり現在に至っている。

 2017,10,01 芦ノ牧温泉


■Variation
 AT-350形は片運転台構造であり、会津若松方には運転台はないが、妻窓や乗務員扉(片側のみ)が設けられている。現在AT-350形は車内にポストを設置しており、窓前に置かれているため外観からも非常に目立つ。なお、こちら側の塗装は隣に連結するAT-401と連続性を持たせたものとなっている。

 2017,10,01 会津田島
2017/10/02