5000形
トップページ鉄道写真図鑑筑豊電鉄>5000形
 2014年登場。老朽化した2000形の置き換えと、バリアフリー化を推進する目的で導入された車両で、筑豊電鉄では3000形以来26年ぶりの新形式であり、下回りを含めた完全新製車としては初めての車両である。アルナ車両が手掛ける国産超低床車「リトルダンサー」の一車種であり、この中でも豊橋鉄道T1000形や富山地方鉄道T100形等と同じ3連接車体の「タイプUa」が採用されている。車体形状はそれらに準じたものとなっているが、既存車も全て連接車で占められていることもあり、全長がこのシリーズでは最も長い17.6mとなっている。同車は福岡県及び沿線の3自治体(北九州市、中間市、直方市)の補助を受けて製造されており、塗装はこれら自治体の花に共通するピンク色を基調にしており、窓周りはグレーに塗装されている。行き先表示器は筑豊電鉄の車両で初めてとなるLED式となり、通常の行き先を表示する際はナンバリングも併記される。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式、駆動方式は直轄カルダン駆動方式で、制動方式には回生制動を有効に作用させる回生・発電ブレンディングブレーキを採用した。いずれも筑豊電鉄の車両としては初の採用で、抵抗制御・釣り掛け駆動方式の車両しか在籍していなかった同社の車両としては大幅に高性能となった。車内は固定クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートとなっており、通常座席は赤系、優先席は青系の「マルチストライプ」柄モケットが取り入れられている。また座席周りや車端部を始め、随所に難燃木材が取り入れられている。この他消火器の保管場所にマガジンラックを併設する等、デッドスペースの低減を図る工夫もなされている。従来の車両に比べてホームと床面高さの段差が40p小さくなりステップが廃されたことや車椅子スペース(折り畳み座席)が完備されたことで従来車に比べて大幅にバリアフリーに対応している。また車内照明は全てLED灯となり、省電力化及び高寿命化が図られた。同車はワンマン運転にも対応した設計となっているものの、中間扉付近に簡易車掌台として車掌用の放送装置を備える等、「リトルダンサーシリーズ」では唯一ツーマン運転を前提としている。5000形は2015年3月のダイヤ改正で営業運転を開始し、それと同時に全線でICカード「nimoca」が導入されている。筑豊電鉄における新たなフラッグシップであり、2017年までに4編成が落成し順次2000形を置き換えていった。なお、2000形と同じく編成ごとに異なる塗装が採用され、第2編成はライトグリーン、第4編成はライトブルー基調となっている。

 2015,08,24 筑豊中間


■Variation
 2017年に製造され、同年12月より営業運転が開始された第4編成。こちらはライトブルー基調の塗装となっている。

 2019,03,10 筑豊中間
 2016年に製造された第2編成。こちらはライトグリーン基調の塗装となっている他、車内の座席モケットの色が第1編成とは異なっている。

 2019,03,10 楠 橋
2019/03/23