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2023年登場。2006年以降に名鉄から譲受した車両は一部が製造から40年が経過し経年を迎えつつあることから、一部の車両を置き換え、バリアフリー化と省エネ化を推進することとなり、この目的で開発・製造された超低床車がF2000形で、F1000形「FUKURAM」以来10年ぶりの新型低床車両である。F1000形「FUKURAM」が新潟トランシス製で、ドイツの新型低床路面電車の流れを組む丸みを帯びたデザインであるのに対し、こちらはアルナ車両が手掛ける超低床車シリーズである「リトルダンサー」の一車両となり、「近未来的」をイメージし外観、塗装を含め直線基調のデザインとなっている。この直線基調のデザインのため、愛称は「FUKURAM Liner」となった。なお、本形式はF1000形と同等の輸送力を確保するため、リトルダンサーシリーズの中でも3車体3台車方式で最も車長の長い「タイプL」が採用されているが、このタイプでは土佐電気鉄道の100形以来実に20年ぶりの新造車となった。3車体を合わせた車長は21.4mとF1000形の27mには及ばないもののリトルダンサーシリーズでは最も長くなっている。制御方式はF1000形に次いでVVVFインバーター制御方式が採用されており、抵抗制御方式の既存車両880形と比べ消費電力量の3割超の削減が図られている。車内はF1000形と異なりオールロングシートとなっている。台車付近もロングシートだが、この部分のみ後に製造される長崎電気軌道の6000形と同じく一段高い位置に設けられている。反面通路部分はフルフラットとなっており、台車付近の通路幅は1.7m確保される等、総じて通理路幅が拡大している。ロングシートには車椅子スペースへの展開が可能な折り畳み式座席が一部配されている他、乗降口付近にスロープを新設することで、車椅子、ベビーカーなど乗降時の段差軽減に寄与している。座席モケットは水色で、福井県内のメーカーであるセーレンが手掛けている。更につり革の一部には越前ガニや西山公園にいるレッサーパンダをかたどったものが配されている他、一部の扉鴨居部には観光用のモニターも設けられ、県外からの利用客に配慮した。F2000形は2023年3月から営業運転を開始しており、福井鉄道の新たな主力車両として活躍している。
2023,07,31 福井駅〜福井城址大名町 |