D45形
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 D45形は1962年の南部縦貫鉄道開業にあわせ、貨物牽引機として日立製作所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車である。元々南部縦貫鉄道は天間林で産生される砂鉄を、当時計画が進められていた「むつ製鉄」事業で用いるべく(工場はむつ市に計画され、天間林から野辺地経由で貨物列車を走らせる計画があった)建設が進められた経緯があり、そのため本機は全長11m超と旅客輸送を行うレールバスよりも長く、機関出力250PSのエンジンを2基搭載し、砂鉄輸送を見越した性能で設計されている。しかし南部縦貫鉄道の開業から程なくして「むつ砂鉄」事業は頓挫し、結局本機が砂鉄輸送を行うことはなく終わった。当時の南部縦貫鉄道は沿線の農産物などの貨物輸送そのものは行われており、貨物列車の牽引に活路を見出した。1973年には羽後交通からDC25形も入線しているが、貨物輸送の最後まで本機が主力機として用いられてきた。1984年に貨物輸送がなくなると出番はほぼなくなり、専ら七戸駅構内に留置されていた。ただし車籍そのものは2002年の路線廃止まで残されている。路線廃止後の現在も旧七戸駅の車庫に留め置かれており、イベント時には外に出されて展示されることもある。なお、旧七戸駅構内に保存されている車両のうち、本車のみ静態保存の扱いとなっている。

 2014,05,03 七 戸


2021/02/14