キハ10形キハ104号車
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キハ10形キハ101・102号車・キハ104号車
 キハ104号車は1980年に国鉄からキハ10-45の譲受を受けたものである。南部縦貫鉄道に入線した車両としては最後の車両であり、エンジンを外し客車然となっていたキハ103(元常総筑波鉄道車)の置き換えを目的に導入されている。元となるキハ10-45は1956年製に製造された、両運転台トイレなしの国鉄キハ10形のうちの1両であり、国鉄時代は気仙沼を起点とし、一ノ関、八戸など専ら東北地方で使用されていた車両である。南部縦貫鉄道への譲渡に際しては塗装変更が施された程度で、特段の改造は施されていない。当初は朝夕ラッシュ時に運用に就くことがあったが、国鉄気動車の中では小型の部類に入るとはいえ、主力車両のレールバスと比較すると輸送力が過大であることから、イベント時等を除き次第に運用には就かなくなった。休止直前の1997年には輸送力不足が懸念されたレールバスを補う形で旅客輸送にあたったが、そのまま休止、廃止と続いたため、本車もその時点で廃車扱いとなった。現在も旧七戸駅の車庫に可動状態を維持したまま保存されており、イベント時等には屋外に引き出されて展示及び走行されることもある。国鉄キハ11系列も完全な形態で保存されている車両は少なく、また可動状態で残るキハ10系列は非常に少ないため、レールバスに負けずとも劣らず貴重な存在である。

 2014,05,03 七 戸


2021/02/13