YR-880形は1988年の山形鉄道開業時より使用されている車両で、全車両とも新潟鐵工所で製造された「NDC」と呼ばれる鉄道車両群の一つである。普通鋼製の全長18m級両運転台車両であり、塗装はアイボリーをベースにオレンジ・ピンク・エメラルドグリーンの3色の帯が配されたものとなっている。また荒砥方の窓のない部分には沿線ゆかりの花が描かれており、1両ずつ異なる花があしらわれている。前面のデザインはくま川鉄道KT-100形を始め、同時期に他社に導入されたNDCと類似しているものの、こちらは前面窓部分の傾斜がなく平面形状となっており、また寒冷地の仕様に合わせ側扉は引き戸となっている。開業にあわせて製造された6両は車内がセミクロスシートで赤湯方にトイレが設けられていたが、輸送力増強を目的として1992年に投入された2両はオールロングシートとなりトイレも設置されていない。ワンマン運転用の機器や走行機器類等は全車両とも共通であり、機関出力は250PSとなっている。増備以降20年以上に渡ってこの8両で推移していたが、輸送人員の減少に伴い2003年にYR-881号車が廃車、2015年にYR-885号車が運用離脱しており、現在は6両の陣容となっている。この6両に関してもエンジン換装等の後天的改造が施されつつあるものの、それ以外は基本的に登場時と変わりなくフラワー長井線の主力車両として活躍を続けている。なお、現在は沿線の花に因んだ全面ラッピングが施されつつある。 2013,09,17 荒 砥 |
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