キハ600形
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 1976年登場。元は1956年に登場した大分交通のキハ600形であり、1960年に製造された2両が1975年の耶馬渓線廃線後に紀州鉄道へと移籍した。バス窓・ウィンドシルを有するその車体は国鉄10系気動車に類似しているが、こちらの前面は非貫通で、また床も板張りであるなど相違点も多い。また、液体式気動車でありながら総括制御はできず、専ら単行での使用を前提とした設計となっている。移籍後も車番は変わらず、しばらくはそのままの姿で走っていたが、1984年に自動扉化、1989年にワンマン化改造が行われておりその時にスタイルが若干変わっている。長きに渡り紀州鉄道線の主力車両として使用されてきたが、キテツ1形が営業運転を開始したことでまずキハ604号車が運用を離脱、2009年にはキハ603号車も運用を離脱した。キハ604号車は2010年に廃車解体、キハ603号車も2012年に除籍されたが、キハ603号車に関しては整備され長らく紀伊御坊駅構内にてその姿を留めていた。現在は本町商店街振興組合に譲渡され、2017年に紀伊御坊駅のほど近くに移設の上現在は飲食店として使用されている。

 尚、キハ603・604号車とは別に1984年に岡山臨港鉄道から移籍したキハ605号車(当初はキハ1003号車、ワンマン化改造など各種改造後に改番)も在籍していたが、試運転時に支障をきたしたことから営業運転には一度も使用されることなく2000年に廃車されており、旧有田鉄道金屋口駅構内にある有田川町鉄道公園での静態保存を経て、ジェイアール貨物北陸ロジスティクスに譲渡され伏木駅構内に留め置かれている。

 2005,08,07 御 坊〜学 門★


■Variation
 キハ604号車。キテツ1形運行開始後の最末期は所謂「予備の予備」状態となっており、およそ10年に渡って紀伊御坊駅のこの場所に留置され、そのまま廃車解体されている。因みにこの場所にはかつて元岡山臨港鉄道のキハ605号車が長年留置されていた。

 2005,08,07 紀伊御坊★
 現役引退後も紀伊御坊駅構内に姿をとどめるキハ603号車。2012年に除籍されているものの、定期的に整備がなされており、エンジンを稼働させることも可能であった。西御坊側の前面は窓枠のHゴム化や灯具の交換がなされており、大分交通時代に近い姿へと復元されていたが、2017年の再移設の際に紀州鉄道時代同様の姿に戻されている。

 2015,01,11 紀伊御坊〜市役所前