ハイモ180形
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 元は1984年に富士重工で製造された樽見鉄道のハイモ180-100形であり、キハ58形の置き換えを目的に1994年に有田鉄道に譲渡されたものである。同車は樽見鉄道の開業(国鉄からの転換)に際し導入されたもので、富士重工が開発していた2軸レールバス「LE-CarⅡ《の中でも最初期に製造された車両であった。前面非貫通の半流線型構造、全長は12.5mで、随所にバス用部品を多用している点が特徴である。同型の車両は3両導入されたが、このハイモ180-100形のみ車内がセミクロスシートとなっている点が特徴である。当初より冷房装置を備え、またワンマン運転に対応し各種機器類を搭載している。なお、機関出力は180PSであり、形式の180はこれに由来する(因みにハイモは樽見鉄道独自の形式で、ハイスピードモーターカーの略である)。他車との併結は行えたものの車両間移動が出来ず、1両の輸送力も低かったことで、ハイモ180-100形は10年に満たない期間で樽見鉄道を除籍されている。有田鉄道への譲渡に際しては、塗装の変更(塗装のパターンはそのまま、青地であった部分が肌色に変わっている)が、そのほかの点は殆ど変更点はない。有田鉄道では一時期在籍していたキハ58-136が冷房化改造されていたが稼働はしていなかったため、ハイモ180形が初の冷房車となっている。また、ワンマン運転対応のため運行の省力化が図られた。ハイモ180形の導入により従来のキハ58形は運行に就かなくなり、有田鉄道ではサービス向上と省力化の両立がなされた。しかし同車導入の頃には既に日曜運休というダイヤが組まれており、その後も利用者・本数の漸減が行われたこともあり、2002年12月に路線廃止されている。末期は1日2往復のみという運用であったが、最後まで使用され続けた。廃止後は金屋口での留置を経て、2010年に開館した有田川町鉄道公園に整備の上動態保存されており、時折動く姿を見ることが出来る。LE-Car‎Ⅱ自体も現在はその大半が廃車解体されているため、綺麗な姿をとどめる貴重な存在といえる。

 2015,01,11 有田川町鉄道公園


2016/11/29