1000形
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 1953年登場。本格的に一般旅客営業を開始するにあたって製造された開放型客車である。屋根こそついているが側窓や扉の類はなく、トロッコ車両然とした姿が特徴的である。車内は3人掛けのベンチシートが枕木方向に9つ並ぶだけのもので、遊園地内の遊覧客車と同じような印象を持つ。またボハフ1000形は車端部に緩急装置・放送装置と特別客車用の戸締め装置も搭載しており、同車は最後部に連結される際は乗車定員が減少する。当初は中間車のボハ1000形のみが製造されたが、1973年以降には緩急車であるボハフ1000形も製造が開始された。この頃には特別車2000形も製造されており、混合で使用された場合に同車へのドア扱いを1000形側から行えるようになり、また同車の暖房装置を制御できる回路も設けた。1000形は運賃のみで乗車できる「一般車」であり、黒部峡谷の自然を一番満喫できる車両であることから一般の人の認知度も高く、乗客増に伴って増備が繰り返された。最終増備は最初期に製造された車両からなんと40年も経た1994年であり、そこまでの長期間に渡って同一形式の車両が製造される非常に稀有な例と言える。現在も一番の主力車両として活躍が続くが、初期に製造からされた車両を中心に2001年から車体更新が始まっており、外販をステンレス鋼に換装する等の改良がなされている。現在、一般旅客用としては7両編成8本56両の陣容となっている。尚、1000形は全車両アルナ車両及びその前身のアルナ工機、前々身のナニワ工機で製造・更新が行われており、3代に渡って同一車両を手掛けている点でも唯一の車両となっている。

 2011,07,30 鐘 釣


■Variation
 ボハフ1000形の車体更新車は2500形等と同じ標識灯を用いるなど近代的な姿へと変わっている。尚、更新車は1100番台へと改番されている。このボハフ1111号車は通常の編成には入っておらず、専ら事業用に使用されている。

 2011,07,30 宇奈月