HOT3500形
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 1994年の智頭急行線開業に合わせ、富士重工業で製造された普通列車用のディーゼルカーである。形式の「HOT」は、智頭急行沿線の県である兵庫・岡山・鳥取の頭文字から、「3500」はエンジン出力がおよそ350PS(実際は355PSであり、HOT7000系と同じものを1基搭載する)であることに由来している。全長17mの普通鋼製両運転台車両であり、塗装はHOT7000系と共通した、白を基調としながら海をイメージした青色と紅葉をイメージした赤色をあしらった配色となっている。前面は比較的シンプルなデザインとなっているが、単純な平面構造ではなく、やや「く」の字形状となっており、窓はパノラミックウィンドウが採用されている。尚、2連での走行もあることから前面中央には貫通扉も備えている。智頭急行線内では特急列車が最高速度130km/hの高速走行を行うことから、普通列車用の同車は特急列車の運行を妨げない性能が必要となった。そのため、前述のとおり355PSの高出力エンジンを搭載することで最高速度110km/hでの走行が可能となっている。通常車両の車内はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートとなっているが、1両のみ在籍しているイベント対応車両のみオール転換クロスシートとなっている。このイベント車のみカラーリングが異なっている他、番号も3520番台と区別されている。尚、いずれの車両にもトイレは設けられており、長距離運用にも対応した形になっている。HOT3500形は一般車9両と前述したイベント車1両の10両の陣容であり、智頭線内の普通列車の他、因美線智頭〜鳥取間の普通列車にも充当されている(運用の合間に、JR線内のみの運用も存在する)。

 2013,07,20 鳥 取