9000系
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 1986年登場。8000系列に代わる新たな標準車両として、将来予定された目蒲線の地下鉄乗り入れも視野に製造された通勤型車両である。車体は軽量ステンレス製ながら従来の車両とは大きくモデルチェンジされており、前面形状は切妻型ながら角型ライトの2灯配置や左側に寄せた貫通扉など大きく一新している。また、8090系が袖絞り車体であったのに対しこちらは直線形状となり、側面には異なる太さの赤いラインが2本配された。9000系では走行機器も一新されており、6000系で試用されたVVVFインバーター制御方式を本格採用した。またボルスタレス台車も東急の量産車としては初めて採用された。車内はロングシートが基調となっているが車端部にボックスシートも備えたセミクロスシートであり、同レイアウトは営団9000系や都営6300形の一部車両にも反映されている。座席間には新たに仕切り板が設置されているが、これは後に新造車や改造車にも反映された。また東急の車両として初めて自動放送装置を完備している。1991年まで製造が続き東横線に8連14本、大井町線に5連1本が配置された。結局南北線や三田線への乗り入れは後に製造された3000系が充当されたものの、1990年代〜2000年代における東横線での主力車両として幅広く運用にあたった。尚、一部編成を除き2004年以降にドアチャイム・車内案内表示器の設置やモケット・化粧板の張替えがなされている(尚、当初案内表示器は第1編成の貫通扉鴨居部にのみ設置されていたが、2000年以降使用停止されていた)。2004年のみなとみらい線開業にあたっては同線にも乗り入れるようになったが、2013年3月からの副都心線直通には充当されないこととなり、5050系の増備に伴って順次東横線から撤退し、大井町線へと転属が行われている。この際8連から5連へと編成が短縮されているが、編成を抜かれた車両はそのまま廃車されている。現在は大井町線へと主要な活躍場所を移しつつ、現在も主力車両の一つとして活躍している。

 2012,02,10 新丸子


■Variation
 東横線所属車のうち、9006Fと9013Fは広告専用車となっており、「TOQ-BOX号」という愛称が付けられていた。この9006Fは前面・側面ともに虹などのイラストがラッピングされており、子供にも親しまれた編成となっていた。現在ラッピングは撤去されており、この編成自体も大井町線に転属している。

 2008,07,24 多摩川
 製造時より唯一大井町線に配置された9007F。長らくの間大井町線では唯一の存在であったが、現在は東横線からの転属車両も増えている。現在は前面にオレンジのグラデーション帯が巻かれており大井町線車の特徴となっている。9007Fは急行運転開始後も古い方向幕を堅持していたが、溝の口延伸時に現行仕様に替えられている。尚、9000系は仕様上3連での運転も可能であり、ごく僅かな時期ではあるが実際にこどもの国線を3連で営業運転した実績もある。

 2008,05,04 旗の台
 東横線から大井町線に転属した9000系。8連から5連に短縮され、他の大井町線車と同様前面にはグラデーション帯が巻かれている。車内案内表示器が取り付けられている編成は当初案内を行っていなかったが(ドアチャイム・自動放送装置のみ稼働)、2012年より案内を行っている。転属した9000系はフルカラーLEDへ表示器が換装された編成やパンタグラフがシングルアームに取り換えられた編成等編成ごとにバリエーションが異なっていたが、現在は全てフルカラーLED、シングルアームパンタグラフと統一されている。

 2009,07,18 溝の口
 2014年当時の大井町線9000系。転属当初方向幕を搭載していた編成も、8090系の廃車により捻出されたフルカラーLEDの表示器に変更されており、現在は全編成への波及が完了している。

 2014,05,31 旗の台
 現在の大井町線9000系。2015年以降、前照灯のLED灯への換装がなされており、現在では全編成とも完了している。

 2016,05,28 旗の台
2016/05/29