13000系
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 2016年登場。従来、東京メトロ日比谷線に直通する車両は18m車8連で賄われてきたが、計測の結果20m車の入線条件を満たすことが判明したことから、これを20m4扉車の7連に統一することになり、この目的により従来用いられてきた03系の置き換えを目的に東京メトロ側の車両として製造された車両が13000系である。同様の目的で同時期に導入された東武70000系と基本設計・仕様を合わせることにより、利便性や保守性といった面での向上が図られている。この目的もあり製造は東武70000系共々全て近畿車輌が担うこととなったが、東京メトロが製造した車両で近畿車輌製は本形式が初めてとなる。車体はアルミ製で、前述のとおり基本的な寸法は東武70000系に準じているが、車体デザインは異なっており、前面は東武70000系に比べて丸みを帯びており、日比谷線の歴代車両のイメージを継承している。前照灯・尾灯ともLEDで、前照灯はL字型に配置され、尾灯と併せてコの字状となっている。行き先表示はフルカラーLEDとなり、英字表記のみならず駅ナンバリングまで表示するようになり、この手法は1000系以降の車両にも反映されている。制御方式は初期編成はIGBT-VVVFインバーター制御、製造途中からはフルSiC-VVVFインバーター制御方式が採用された他、主電動機は永久磁石同期電動機が採用されており、消費電力の削減、メンテナンス性の向上等が図られている。特に日比谷線内に多い急曲線での騒音防止・安定走行等により、台車にはモノリンク式の自己操舵台車が採用されている。これは1000系で採用されたものをベースとし、新たに狭軌線向けに開発されたものである。側扉のドアエンジンは東京メトロで標準となる空気式が引き続き採用されている。この点は電気式を採用した東武70000系とは異なっている。車内は片持ち式ロングシートが展開しており、壁面がオフホワイト、袖仕切りの一部に木目調を配し、床が紺色に着色されており、総じてシックな内装となっている。車内照明はLED照明を用いた間接照明が採用された他、荷棚部分にもLED照明が埋め込まれている。荷棚は強化ガラス製となっており、都営5500形にも見られるような江戸切子様の文様が配されている。扉鴨居部の液晶表示器は17インチのものが3基連続で取り付けられている。車内のスピーカーは高音質のステレオスピーカーが搭載されており、従来以上に放送が聞き取りやすくなっている他、走行中にクラシック音楽を流す試みも行われた。13000系はまず2016年12月に霞ケ関〜南千住間で特別に営業運転が行われた後、2017年3月より営業運転を開始した。以降徐々に03系を置き換えており、2020年2月には03系を完全に淘汰している。本系列への統一後のホームドア設置に伴う運用増に鑑み、03系の総本数より2本多い44本が製造され、2020年4月に出揃った。中目黒〜南栗橋間で用いられているが、日比谷線の車両工場が鷺沼にある関係上東急線への乗り入れも可能な仕様となっており、入出場時には東急線内でもその姿を見ることができる。

 2018,07,16 西新井


2021/01/16