7500形
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 1962年登場。路線廃止を視野に入れて導入されていた8000形が、その簡素な構造ゆえに早期に老朽化が進んでいた状況に鑑み、8000形から更に仕様を変更した新造車両を導入することとなったもので、荒川線存続決定前の都電最後の新造車両である。車両形式は7000形と8000形の折衷という意味から8000形よりも若い「7500」という形式が採用された。登場当時の車体は7000形に準じた丸みを帯びたものであり、経費節減の関係からバスの車体構造を応用した車体構造を採用している。制御方式は間接非自動制御、駆動方式は釣り掛け駆動であり、この点は8000形と同一であった。7500形は20両が製造されたが、登場時は青山営業所などに配置され、渋谷界隈の系統を中心に使用されていた。他車に比べて車歴が浅かったことももあり、追突事故で廃車された2両を除いて全車1972年までには荒川車庫に転属した。その後は一部を除いてワンマン化改造が施され、更に1984年より13両が車体載せ替えを伴う更新工事が施工された。この更新では同時に冷房化も施され、都電の車両で初めての冷房車となった。また、塗装もバスに準じたクリーム地に黄緑色を配したものに一新されている。尚、車体更新されずに残った車両は1998年までに運用を離れている。更新された13両に関しては近年まで1両も欠けることなく荒川線で活躍していたが、8800形9000形に置き換えられて2011年3月を以て全車の運転が終了した。尚、1両は花電車に改造され以降も存続したが、これも2018年に廃車されている。

 2009,06,14 荒川車庫


■Variation
 7500形は、7000形と共に車体広告車両が多く、在籍者量の大半が車体広告をまとっている。そのため通常の塗装を見かけることが少ないくらいだ。写真の7501号車のみシングルアームパンタグラフに換装されていたが、既に廃車されている。

 2009,06,14 町屋駅前
 2010年6月より、南海グループとのタイアップにより往時の阪堺線の塗装に塗り替えられた7511号車。イベント用に、「天王寺駅前」等阪堺線の駅名を追加しているのが特徴。明るい塗装の多い都電車両の中ではかなり目立つ存在である。2011年3月の廃車まで、この塗装のまま存置されている。

 2011,01,16 荒川車庫
 最後まで車体未更新のまま残った7504号車。車体更新時に更新対象から外れた車両は3両あったが、7504号車のみ「学園号」としてラッシュ時の増発用に存置された。未更新ながら車内案内表示器や車椅子スペースを備えたこの車両も1998年に運用を離脱し、2001年に廃車となったが現在は整備されて都電おもいで広場に静態保存されている。この他にも未更新の7500形は数両が静態保存されている。

 2007,09,23 荒川車庫(都電おもいで広場)
 車体未更新かつツーマン仕様という、製造当初の姿に最も近い姿で保存されている7514号車。製造当初はこのように黄色地に赤帯を巻いた姿であった。この7514号車は荒川線発足時には在籍していたものの、ワンマン化対応がなされず1978年に廃車されており、以降荒川車庫に留置されていた。1999年に整備のうえ江戸東京たてもの園に移設され、静態保存されている。

 2019,03,02 江戸東京たてもの園