5500形
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 2017年登場。製造から四半世紀以上経過した5300形の置き換えを目的に導入された車両である。車体は前頭部を除いて軽量ステンレス製で、総合車両製作所が手掛けるステンレス車輌ブランド「sustina」を都営地下鉄で初めて採用した。車両外観は歌舞伎の隈取をイメージし、スカート部分を含め一体的なデザインとなっている。前面及び窓回りは黒く処理され、窓横には金色の模様があしらわれた。またホームドア導入を意識し、扉をラインカラーのローズレッドに塗り、上部に同色の帯を配している。制御方式はフルSiC素子を用いたVVVFインバーター制御方式で、機器類は二重化のうえ冗長性が図られている。車両の管理方式としてJRE235系にも採用されているINTEROSが都営地下鉄では初めて採用された。これに伴い、運転台も浅草線と直通各社の形式では初めてとなるグラスコクピットとなっている。編成は5300形の4M4Tから6M2Tとなり電動車の比率が上がっている他、設計最高速度は130km/hに向上し、営業運転での120km/h走行も可能となっており、将来的な成田スカイアクセスへの乗り入れも視野に入れている。車内は片持ち式ロングシートとなっており、座席幅は5300形に比べ1人あたり1.5p拡大している。また、全車両とも車いすスペースないしフリースペースを1か所設置している。「日本らしさとスピード感が伝わる車両」という車両コンセプトのとおり、側面化粧板は和紙柄、妻部は竹柄となり、座席は背ずり部分が寄せ小紋、座面が亀甲文様を模した柄が採用されている。通常の吊り革は茶色のものが採用され、袖仕切りは一部がガラス製となり江戸切子調の柄がデザインされ、カーテン・貫通扉には沿線を象徴するもの(提灯、花火など)のイラストがあしらわれている。車内案内表示器はLCDとなり、扉鴨居部に各2基設置された。このうち右側で次駅案内等を行うが、その表示方法は京急2100形更新車のものに準じている。また本形式では都営地下鉄で初めて新造当初よりFree Wi-Fiが導入された。更に安全性に配慮し、各車両4か所に防犯カメラを備えたほか、先頭車座席下には非常用梯子がプリセットされた。5500形は2017年9月に最初の編成が落成しており、当初は2018年春からの営業運転開始の予定であったが、2018年6月末に営業運転を開始した。同年9月からは直通先の各線でも運用を開始しており、浅草線の新たな顔として活躍を始めている。今後は2021年度までに8連27本が落成予定で、これにより5300形をすべて置き換える計画である。

 2018,09,05 勝田台


■Variation
 落成して間もなく、馬込車両基地の一般公開時に披露された5501F。初回落成という点から同車のみ陸送で馬込車両基地に搬入されている。なお、行き先表示器の左右に配置された灯具は、尾灯のみならず写真のように急行灯としての使用もできる。

 2017,12,09 馬込車両基地