スイテ82形
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 スイテ82形は1982年に竣工した展望客車である。1980年に竣工したナロ81号車同様元西武501系の中間付随車を旧型客車然とした客車へと大規模に改造したものであるが、こちらは前述のとおり展望客車としたことから、片側(通常は金谷方)に展望デッキが取り付けられている点が最大の特徴である。車体構造は種車のものをそのまま流用しており、通風器としてガーランド型ベンチレーターが取り付けられている。形式の「イ」がさす通りかつての一等展望車をモデルに改造されているため、車内は4人用個室とソファシートの並んだ開放室で構成されている。ソファシートは展望室付近が1人掛け、それ以外は2人掛けでリクライニングはしない構造となっている。なお、ナロ80形同様冷房装置は取り付けられていない。車体塗装は茶色を基調とし、一等車を示す白帯が入れられており、この点も国鉄車両に追従している。なお、形式に使用されている「ス」の記号は本来車両重量37.5t以上の客車に用いられる記号だが、本車の自重は29.7tしかなく、あくまで「往時の展望車の雰囲気を出す」という意味合いが大きい。登場時から現在に至るまで、通常のかわね路号では基本的に連結されないが、特別運転やイベント運転の際には端部に連結されて走行する。

 2014,01,25 新金谷


2017/08/19