ED50形
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 ED50形は、1969年の岳南鉄道昇圧時に名古屋鉄道より借り入れた、全長10m級の凸型電気機関車である。元々は1928年に川崎造船所で製造された上田温泉電軌(後の上田丸子電鉄)デロ301号機であり、前述の通り名古屋鉄道を経て1969年に同社から借り入れた後、1970年には正式に岳南鉄道に籍をおいた。張り出しの小さい凸型車体と、側窓がRを描いている点が特徴で、上田温泉電軌当時は勾配対策で発電ブレーキも備えていた。岳南鉄道への移籍に際してはパンタグラフの増設の他は特段の改造もなく、名古屋鉄道時代から改番もなされずに使用を開始した。このため名古屋鉄道の車両で特徴的なローマン調の車番表記もそのまま残された。2012年に貨物輸送が終了するまでに至るまでほぼ一貫して入換用途を中心に使用されており、通常は比奈駅に常駐していた。貨物輸送終了後、鉄道運営が岳南電車に引き継がれた後も車籍は残されたが、使用されないまま2015年3月を以て除籍されている。以降も岳南富士岡駅構内に留置されており、現存する昭和初期製の電気機関車という点でも貴重な存在と言える。2021年に再整備が施され、元々留置されていた箇所を活用した鉄道公園「がくてつ機関車ひろば」で静態保存されている。

 2008,03,18 岳南富士岡


2021/12/30