ED31形
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 1955年登場。元々は伊那電気鉄道が1923年に発注した国産電機である。伊那電気鉄道が国有化し飯田線となるとそのまま同機も国鉄籍となり、1952年に現在の車番となった。廃車後は西武鉄道に譲渡された車両もあったが最終的には上信電鉄に移籍した1両を除く5両が近江鉄道に移籍している。上信電鉄に譲渡された車両のみ大幅に改造されているが、それ以外の5両はあまり大きな改造が加えられず、特徴的な凸型の機体をそのまま維持している。後に近江鉄道に譲渡されたED14形が軸重制限があり高宮以西に入線できなかったこともあり、近江鉄道移籍後の本形式は全線に入線可能な機関車として長らく主力車両として活躍した。特に八日市線の貨物輸送は本形式の独擅場となっていた。しかし貨物輸送は1980年代に入り段階的に縮小し、1988年の貨物輸送全廃後は工事列車に用いられる程度で活躍の場が殆どなくなってしまった。ただし車籍自体は平成の世になるまで全車とも残されており、イベントなどでの使用や彦根駅構内における入れ替え、工事列車の牽引に用いられた。近年まで1両の車籍が残っていたが、ATSが未設置であることや工事列車であっても220形が使用されていることから、稼動することはほぼ皆無であった。ただし2010年代後半まで全機とも現存し、黎明期の国産電機として非常に貴重な存在となっていた。2019年の時点では3両が解体され、2両が彦根駅構内にその姿をとどめていたが、このうち3号機が2020年に東芝府中工場、4号機が東近江市の近江酒造に譲渡され、それぞれ保存されている。

 2008,08,05 彦 根


2020/02/11