E61形
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 E61形は1960年に導入された電気機関車である。元は1922年にアメリカGE社(機器類はAlco社製)で2両が製造され、翌年に日本へと輸入されたED11形であり、同時期に輸入された電気機関車同様、東海道線や横須賀線の電化開業にあたり電気機関車の性能を確かめる目的で導入されたサンプル機の一つである。当初は1010形と称し1928年にED11形に改称され、登場から一貫して東海道線・横須賀線や直通する伊東線で使用された。西武鉄道へは1号機の1両のみ譲渡されており、元々1951年に電動機換装等の更新がなされていたことからほぼそのままの姿で導入されている。因みに1969年にE851形が導入されるまでは、同機が私鉄の電気機関車においては最も出力の高い車両であった。西武鉄道ではディープラズベリー一色となり、貨物輸送や工事列車牽引に従事された。なお、側窓は元々「田窓」状に桟が取りつけられていたが、1970年代には撤去されている。この他集電装置も複数回換装された。同機は1984年に廃車され、以降は横瀬車両基地で静態保存されている。後に田の字状の桟は復元され、現在はその状態で存置されている。一方僚機の2号機も1976年まで浜松工場の入れ替えに使用され、現在はリニア・鉄道館にて静態保存されており、黎明期の電気機関車で全車とも完全な形で現存しているという、稀有な事例となっている。

 2013,10,06 横瀬車両基地