DSB1形
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 1961年登場。当時路線延伸の計画された鉄北線の延伸部(北27条〜麻生町・新琴似駅前)は、変電所建造費削減の目的から非電化路線として建設されたため既存の除雪車両では除雪が不可能であった。そのため、非電化区間でも除雪を可能とするべく製造された車両がDSB1形であり、鉄北線が新琴似駅前まで延伸した1964年までに3両が札幌綜合鉄工協同組合で製造された。所謂「道産車両」の一車両で、当時製造されていた他の「道産電車」と同じく全金属製の車体が採用されており、それまでの木造除雪車に比べて洗練された車体となった。降雪時における視認性向上によって、当初より塗装は黄色と黒のゼブラ模様が採用されている。前述のとおり同車は「気動車」であり、形式のDSBは「Diesel Snow Bloom」からとられている。除雪方式は形式の「Bloom」にもあるとおり竹でできた「ササラ」を回転させて除雪を行うものである。他の札幌市電の除雪車、所謂「ササラ電車」がササラ駆動用のモーターを搭載しているのに対し、こちらは気動車であるため走行用のエンジン以外にササラ駆動用のエンジンを搭載しており、その機関出力は走行用が115PS、ササラ駆動用が43PSとなっている。DSB1形は鉄北線の非電化区間用に導入された車両ではあったが、変電所に影響を与えることがないため、非電化区間の除雪の他、ラッシュ時間帯には本数の多い電化区間の除雪にも充てられた。非電化路線として開業した鉄北線の延伸区間も、1967年までに全線電化されており、本来の用途としては使用されなくなったもののその後も他の除雪車と同じく電化区間の除雪に使用されたが、1971年の部分廃止に合わせて余剰となったことから全車とも廃車された。最も新しい車両では実働わずか7年での廃車となったが、DSB1の1両のみ札幌市交通資料館に静態保存されており、全国でも非常に珍しい「路面除雪気動車」の姿を現在にとどめている。

 2014,06,28 札幌市交通資料館