3300形
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 1998年登場。廃車された330形の機器類を流用し、車体をアルナ工機で新造した車両である。車体は全体的に8500形に準じた構造となっているが、角型ライトの採用や側窓の変更などによって、更に洗練されたデザインとなった。パンタグラフはシングルアームとなっており、乗降表示もLED化されるなど、8500形にはない装備も存在する。前述のとおり車内には案内表示器が初めて取り付けられた他、ラインデリアの取り付け等により、更新車ながら8500形と同等のサービス向上に寄与した。ただし冷涼な土地柄を鑑み冷房は装備していない。2001年までに5両が製造され、他車と共に活躍している。尚、最終増備の3305号車は京福電鉄の事故後に製造されたため保安機器の二重化がなされている。2015年の市電環状化を控えて他の形式で行き先表示器が順次LED化されたのに対し、こちらは方向幕のまま存置されており(環状運転用のコマを追加)、図らずも同形式の特徴の一つとなっていたが、2019年より順次LED化がなされている。

 2007,11,25 電車事業所(公道より撮影)


■Variation
 リボンシトロンのラッピングが施された3301号車。元の塗装は緑を基調とした標準塗装であるが、3300形は特に全面広告ラッピングが施されることが多い。同一車両であっても、時期により広告が変更となることも、間々あることである。

 2014,03,08 電車事業所前
 「雪ミク電車」として初音ミクの全面ラッピングが施された3302号車。2011年からさっぽろ雪まつりの時期に合わせて、タイアップの一環として札幌市電のうちの1両に初音ミクをテーマとした前面ラッピングが施されている(当然のことながら、デザインは毎年異なる)。車内の自動放送も初音ミクを演じる声優のものに変わっており、内外装共に初音ミク仕様となっていることから毎年人気が高い。この「雪ミク電車」には3300形が充当されることが多く、2014年のものを含めて過去に3回施されている。

 2014,03,08 電車事業所前
 市電環状化後の3301号車。環状化に合わせて他の既存車両が行き先表示器をLEDへと換装したのに対し、この3300形では方向幕のまま存置された。環状運転時の表記の仕方はLED表示のそれに準ずるが、3300形は大型の方向幕を備えるため視認性ではこちらに軍配が上がると言える。ただし2019年以降、この3300形もLEDへの換装がなされている。

 2016,01,09 電車事業所前
 行き先表示器がLED化された3301号車。市電環状線化後も幕のまま存置された3300形であったが、ついに2019年からLED化が開始された。なお、行き先表示器のLED化とは別に、前照灯も白色LEDへと換装が進んでいる。

 2021,10,22 西4丁目

2021/10/24