1100形
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 2018年登場。製造から半世紀以上が経過し老朽化した既存車両の置き換えを目的に製造された、現在の札幌市電では最新鋭の車両である。元々は環状線化に際して製造されたA1200形を増備する予定であったが、変更され新たに単車として製造された。公募により「シリウス」という愛称がつけられた。製造は引き続きアルナ車両が担っており、同社が手掛ける超低床車である「リトルダンサー」の一車両である。前述のとおり単車となったため、「リトルダンサー」のうち単車タイプである「タイプS」となったが、このタイプは従前伊予鉄道でのみ採用されており、今回初めて伊予鉄道以外での導入となった。車体デザインはA1200形に類似しており、ちょうどA1200形を単車化したようなデザインとなっているが、こちらはヘッドライトが左右2灯ずつとなっている。車長はA1200形よりも4m短い13mとなっている。機器構成は先に導入されていた伊予鉄道モハ5000形に準拠しており、主電動機や駆動装置等の電装品は同型品(東洋電機製)を採用している。なお、主幹制御器は既存車同様ツーハンドルとなっている。車内は同産木材を使用したパネルを用いる、扉付近に折り畳み式座席を配置する等A1200形との共通点もあるが、ボックスシートのあるA1200形に対しこちらはオールロングシートとなっている。座席モケットは一般席がライムグリーン、優先席が黒基調のものに統一された。車椅子スペースは1両につき2か所配置とされた他、低床部分はフルフラットとなりバリアフリーの向上が図られている。また通路幅は最大1200o程度まで拡大されており、これは札幌市電の車両で最も広い。なお、両端部にあたる台車上の高床部分も乗務員スペースの他に客室として扱われており、運賃箱の他に座席が配置されている。1100形は当初1両が落成し、2018年10月から営業運転を開始したが、営業運転開始からまもない翌11月には車庫内での事故により長期離脱の憂き目にあっている。翌年3月には復帰しており、更に同じ2019年からは増備車の投入も始まり、その勢力を着実に伸ばしている。2023年の時点では9両が在籍するが、今後も更に増備が続く計画となっている。

 2021,10,22 電車事業所前


■Variation
 札幌市電の超低床車として初めてラッピングが施された1103号車。医療啓発のラッピング車となり、窓周りが青系統となっている点が特徴である。

 2021,10,22 電車事業所

2023/02/28