1000形・2000形
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 1000形と2000形は、1971年の地下鉄南北線北24条〜真駒内間開業に先立ち1970年に製造が開始された車両で、札幌市営地下鉄の営業用車両第1号である。第4次試験車「すずかけ」で試用された車体構造が踏襲されており、1両あたりの車長が13.8mの2両連接車体で、動輪は2両あわせて7軸となっている。車体は札幌市電を代表する連接車A830形の流れを組んだデザインとなり、前面窓はパノラミックウィンドウ、側面窓は丸みのある大型窓が特徴である。前頭部の中心は貫通扉が設けられたが、この部分は非貫通構造で、さらに大きく札幌市章がかたどられており、他の車両には見られない独特なデザインとなっている。制御方式は抵抗制御方式、また札幌市営地下鉄では動輪がゴムタイヤになったことから駆動方式は車体装架カルダン駆動方式が採用され、1モーターで左右輪を駆動することから、差動装置も搭載された。ゴムタイヤ式地下鉄の営業用車両の導入は国内では初、かつ世界をみてもフランスについで2例目ということで、非常に先進的な車両と言える。元々2両を組んでいた編成が1000形、4両を組んでいた編成が2000形と呼称された。車内はロングシートで、妻面や側扉がこげ茶色の木目調となり、座席もオレンジ系のモケットが採用される等落ち着きと温かみのある色合いの内装となった。連結部は連接構造となっている部分が丸形、連接構造でない部分は通常の貫通路が設けられた。後者は2000形のみにみられる特徴であった。1972年の開業時には1000形が2連14本、4連が7本の計56両が製造され、両形式を組み合わせて2連から8連までの柔軟な編成が組めるよう考慮されていた。しかし折しも開業が札幌オリンピック開催時で輸送力増強が求められたこともあり、最短4両での運用が基本となった。更に輸送力の増強が求められたことから編成も6連、8連へと増強が進み、最終的には路線が北24条から麻生まで延伸した1978年までに8連20本の160両という陣容になった。1000形として製造された車両も増備の途中で編成替えが行われた結果2000形へと編入され、最終的には本形式は2000形に形式統一された。なお、1975年以降に製造された車両は側窓の寸法が小さくなる、車内のカラースキームがやや変更される等のマイナーチェンジがなされている。因みに1980年には最終増備車の製造が計画されたが、こちらは変更点が多いことから3000形に形式が変更されており、結果本系列は160両の陣容のまま推移した。路線長が現在と同じ姿となって以降も主力車両として活躍したが、1985年からは3000形の増投入により、初期に製造された車両から廃車が発生した。しばらくは本車が主力車両の座にとどまっていたものの、1995年の5000形投入後は急速に置き換えが進み、1999年に営業運転を終了した。その後は基本的に廃車解体されたが、1970年に製造された先行試作車2両(当初1001-1002)は解体を免れ、1000形当時の姿に復元のうえ札幌市交通資料館に静態保存された。

 2014,06,28 札幌市交通資料館


2022/09/30