ヲキ100形
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  大正時代に製造されて老朽化が進んでいた先代の鉱石輸送ホッパ車であるヲキ1形の取り換えを目的に、1956年より製造が開始された石灰石輸送用のホッパ車。全長は7.5mとさほど大型ではないが、1両に35tの石灰石を搭載することが可能となっている。荷卸し時の作業効率化の為、荷卸し時は車体中央部にある底板を開いて一気に石灰石を落下させるようにしている。因みに形式の由来は諸説あるようだが、いずれにしても「鉱石」が由来となっている模様。断続的な増備を繰り返し、1973年までに143両が製造され、秩父鉄道における石灰石輸送の代名詞ともいえる存在となった。現在は貨物運用の縮小や2008年の脱線事故の影響もあり、徐々にその数を減らしつつあるが石灰石輸送の代名詞であることには変わりなく、当面はその姿を見ることができるものと思われる。車掌常務廃止から近年まではヲキ100形9両とヲキフ100形1両の組成であったが、現在はこの形態が崩れつつある。尚、秩父地方で産出された石灰石を熊谷の工場まで輸送するという目的から登場から現在までJR線への乗り入れは行われておらず、全車とも三ヶ尻〜武州原谷・三輪鉱業所間にて使用されている。

 2006,03,18 武 川★


■Variation
 ヲキ100形の中でも1973年に製造されたヲキ212号車以降の車両は、工法がリベット打ちではなく溶接工法となっている。その為それ以前の製造車に見られるリベットがなく、比較的すっきりとした印象となっている。このグループは同一年に一気に製造されたものだが、車両総数に比して少数派となっている。

 2007,09,10 武 川