ワキ800形
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 ワキ800形は1968年に55両が製造された31t積のボギー有蓋貨車であり、日本車輌及び汽車会社にて製造されている。国鉄が1965年より製造していたボギー有蓋車であるワキ5000形と同系の車両で、車体にプレス加工鋼板を使用している点や、16m級車体かつ側面の鋼体を4つの引き戸で構成した4扉総開き車体としている点など、ワキ5000形の特徴をそのまま有している。ただし塗装は国鉄車のとび色ではなく黒一色であり、秩父鉄道の他の貨車と揃えられている他台車の種類も異なっている。登場時より袋詰めセメント輸送に使用されたが、国鉄の貨車をベースに製造された車両であることから当初より国鉄直通の認可を受けており、秩父鉄道線内だけでなく国鉄線を介して上信電鉄の南高崎まで乗り入れていた他、東武鉄道にも乗り入れて下板橋や業平橋といったセメント工場のある貨物駅までの貨物列車に使用された。その後袋詰めセメント輸送が縮小したことから1986年より廃車が始まり、南高崎までの袋詰めセメント輸送全廃を機に1988年3月を以て全車両が廃車された。廃車後はワキ824号車が秩父鉄道車両公園に保存されている他、現在でも広瀬川原車両基地や秩父駅など各所に留置されている車両もあり、更に他の有蓋車同様足回りを撤去の上で倉庫代用となっているものもある。

 2013,03,07 秩父鉄道車両公園