キハ310形
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 1953年に宇都宮車輌で2両製造された自社発注車両である。国鉄キハ41000形と同型のガソリンカーとして製造され、製造当初はキハ41000形譲受車の続き番号が振られていた(キハ3004・キハ3005)。1967年に改番されて新造車はキハ311・キハ312となり譲受車とは番号が分かれた。国鉄からの譲受車と寸法は殆ど同じで形状も類するが、こちらは屋根が張り上げ屋根となっており、前面窓も2枚窓に変更。更に運転台側には乗務員扉が設けられるなどの差異もみられる。なお、前照灯は当初上部中央に1灯配置されていた。前述のとおり当初はガソリンカーとして製造されたが、既に当時は液体式ディーゼルカーの量産が開始されていたため、ガソリンカーとしては国内最後の新造車となった。ただしガソリンカーであった期間は短く、1956年には機関換装の上ディーゼルカーに改造されている。車内は当初2両ともセミクロスシートであったが、1964年にキハ3004(後のキハ311)についてはオールロングシートに改造されている。1966年には前照灯が移設されシールドビーム2灯配置となり、車番改番後の1967年以降には全車共にドアエンジンの搭載、機械式であった変速機の液体変速機への換装、それに伴う総括制御への対応、車内放送装置や扇風機の設置など、キハ300形同様に更なる車両の近代化が随時施されていった。その後も継続使用されたが、キハ311は1985年に廃車され、以降はキハ312が廃線まで活躍した。現在も2両とも保存されており、特にキハ312は柵原ふれあい鉱山公園で動態保存されている。

 2015,05,03 柵原ふれあい鉱山公園(吉ヶ原)