8000形
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 1982年登場。老朽化が進みかつ輸送力の小さかった18m級の中型車の置き換えを目的に製造された通勤型車両である。5000形や9000形と同じく普通鋼製の車体が採用されているが、こちらは腐食防止の観点から屋根や雨どいにステンレスを採用する等改良が施されており、更に前面は大型曲面ガラスの採用に加え窓周りを黒く処理することで窓周りを一体的に見せる所謂「ブラックフェイス」が採用され、更に角型のライトを採用することで従来車に比べて先進的なデザインとなった。当初の制御方式は9000形で採用された界磁チョッパ制御方式を引き続き採用したがGTO素子を取り入れて機器の小型化がなされている。ただし電気指令式ブレーキは採用されず、電磁直通ブレーキを採用することで他形式との連結運転に考慮している。8000形は1987年までに6連・4連各16本の160両が製造され、同年までに2400形を除く中型車両を全て置き換えている(2400形は1989年まで残存)。登場当初からアイボリー地にロイヤルブルーの帯を巻いた塗装を纏っているが、1980年代を中心に特別塗装となることも多く、小田急通勤車の主力として親しまれた。その後2002年からは内装を3000形と同等のものにするリニューアル工事が開始されており、それにより表示器のLED化やドアチャイムや車内案内表示器、自動放送装置などが新設されている。2003年からは制御方式をIGBT-VVVFインバーター制御方式、制動方式を電気指令式とするなど走行機器類の抜本的な更新も始まっており、更に2006年度の更新車より種別・行き先表示器のフルカラーLED化、2007年度より主電動機を4000形と同じ全密閉型のものに改良する等、年度によって更新メニューに変化が生じている。一連のリニューアル工事が施行されたことにより、小田急の通勤型車両としては最古参の存在となりながらも今後も主力車両の一つとしての活躍が見込まれる。なお、6連1本が2019年の踏切事故の影響で廃車されている他、2020年からは界磁チョッパ制御で残る編成より廃車が始まっている。

 2012,12,02 千歳船橋


■Variation
 未更新の小田急8000形。未更新車は種別・行き先表示器が幕で存置されているだけでなく、現在は使用されない急行灯が残っているため判別がつく。また内装は更新車が暖色系であるのに対し、こちらは最終増備車を除きかつての小田急の標準であった寒色系のまま残っている。2013年現在未更新車は4連2本のみとなっており、これらもリニューアルによって間もなく消滅することが予想される。

 2008,03,31 箱根湯本
 2006年度に更新された編成以降は全て種別・行き先表示にフルカラーLEDが採用された。また2007年度に更新された編成からは内装に4000形の意匠を加えたものとなった他主電動機が4000形と同じく全密閉型の電動機となるなど、当時の新型車両に合わせた更新メニューの変更がなされている。尚、4連を組む編成は全てこの形の更新がなされており、更に電磁直通ブレーキを搭載した車両が減少したことからブレーキの読み替え装置は搭載されず、10連を組む際は専ら8000形更新車及び3000形と連結される。

 2012,12,02 千歳船橋

2020/12/27