60000形
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 2007年登場。来るべき特急ロマンスカーの東京メトロ乗り入れ開始を控え、地下鉄線内での走行にも対応した特急型車両であり、Multi Super Express(MSE)の愛称を持つ。50000形「VSE」同様のアルミ合金製車体であり、車両コンセプトも通じる部分が多いが、地下鉄直通に対応して変更点も多く見受けられる。具体的には30000形以来のボギー構造の採用、前面への貫通扉の設置などが挙げられ、また内装に木材は採用されていない。地下鉄の駅でも明るく目立つよう、車体色にはフェルメールブルーを採用しており、そこにバーミリオンのラインが入っている。地下鉄線内での取り扱いもあって車両の運転台及び走行機器は4000形に準じており、機器の二重化も同じようになされており故障に強くなっている。車内は50000形に準じた高い屋根が特徴で座席もほぼ同じものを採用しているが、こちらはモケットが異なる他窓方向へ座席を傾斜させることはできない。またシートピッチも狭くなっており(ただし床下を広くすることで狭さを補っている)、総合的な見付けは30000形に準じている。更にこちらは床に赤いじゅうたんが敷かれており高級感を演出しているが、これは50000形には見られないものである。また全国の特急型車両では初めて車内にAEDを搭載しており、これは後に他の小田急特急型車両にも取り付けられることとなる。2008年3月より営業運転を開始し、平日は本厚木・唐木田と大手町・北千住を結ぶ通勤特急、土休日は箱根湯本〜北千住、本厚木〜新木場間の観光特急を中心に使用されている。2012年のダイヤ改正からは「あさぎり」としてJR東海へも乗り入れることとなり、文字通り「マルチ」に使用できる主力車両へと成長したといえる。2009年にはブルーリボン賞を受賞しており、50000形共々今後の小田急のフラッグシップとなっていくことだろう。

 2008,03,30 箱根湯本


■Variation
 60000形は6連と4連の編成がそれぞれ在籍しており、両者間は貫通扉付き先頭車を通じて行き来できるようになっている。10連を組んだ場合はその先頭車は中間に収まるが、6連単独運用等ではその姿を見る事が出来る。30000形の貫通型先頭車に通ずるデザインではあるが、屋根部分の連続性を保つために屋根形状が丸みを帯びており外観上の特徴となっている。愛称表示器は扉左側に設けられている。

 2009,01,01 新 宿