8000形
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 1989年登場。前年に創立80周年を迎えた西鉄では、並走するJR鹿児島本線に811系が投入されたこと及び福岡市内で博覧会が開催されることを受け、天神大牟田線における更なる特急のイメージアップ・サービスアップを目指して新型の特急型車両を導入することとした。そのような経緯で製造された8000形は2000形以来となる特急型車両であり、従来車とは一線を画すデザインとなっている。先頭は非貫通構造で、くの字状に傾斜がついた流線型構造となった。前面窓を大型曲面ガラスとすることで眺望を向上させるとともに、流線型の形状と相まってスピード感のあるデザインとなった。塗装は2000形がオキサイドイエローとボンレッドであったが、こちらは白とスカーレットの2色が採用されている。片側2扉となった8000形の車内は転換クロスシートを基調とし、車端部をロングシートとしたセミクロスシートとなっている。乗務員室の後ろの部分はパノラマゾーンとなっており、クロスシートが設置されている他、その部分の窓のみ他の箇所よりも大きい固定窓となっており、眺望性に優れている。尚、登場後すぐに車内案内表示器が車端部に設置された他、自動放送装置も備えている。また当初は公衆電話の取り付けられた車両もあったが、携帯電話の普及を受けて2000年以降順次撤去されている。制御方式は旧来通りの抵抗制御方式が採用されたものの、西鉄の車両としては初めて電気指令式ブレーキが採用されており、走行機器面でも一歩進んだ形となった。また主幹制御器には西鉄で初めてT型ワンハンドルマスコンが導入され、モニタ装置も設置されている。8000形は6連6本が製造され、それまで特急運用に使用されていた2000形を急行運用へと追いやり(これにより2000形は3扉化されて一般車となるも、引き続き一部は2000形の特急も残存)一躍西鉄のフラッグシップとなった。西鉄のフラッグシップとして天神大牟田線の特急を中心に活躍していたが、2扉ということもあってラッシュ時の輸送にはやや難があり、ラッシュ時には天神大牟田線や大宰府線で普通列車として使用されることが多い。尚、2014年には1本が大宰府への観光列車に改装されており、「旅人」という愛称が付けられた。また2015年には1本が柳川への観光列車として改装され「水都」という愛称が付けられる等、新たな姿での活躍も見られたが、2015年より3000形による置き換えが始まり、「水都」「旅人」を残して2016年度までに廃車、残る観光列車編成も、2017年7月に「水都」、9月に「旅人」がそれぞれ3000形に置き換えられ、29年の活躍に終止符が打たれた。なお、「旅人」編成は最後に元の姿に復元され、10月に引退記念運転が行われた。

 2013,03,18 大 橋