6050形THE RAIL KITCHEN CHIKUGO
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 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、西鉄沿線を始め筑後地方の資源や魅力を発信することを目的に開発された、西鉄では初めてかつ大手私鉄では西武鉄道に次いで二例目となる、本格的な供食設備を備えた観光用車両である。6050系の6053Fを種車として大規模な改造が施された。元々4両で1編成を組んでいたが、1両脱車のうえ3両編成とした(この時外された車両は廃車)。前面の貫通扉は埋められて非貫通構造となり、前照灯はLED化が行われている。また、側扉は中間車で2箇所、先頭車で3か所が埋められている他、残存した扉も窓のないものに換装されている。本車両のデザインは、「トランジットジェネラルオフィス」の全体プロデュースのもとでなされている。外観はキッチンクロスをイメージしたものとなり、白を基調に赤い格子模様が配され、窓下にロゴマークがあしらわれた。側窓も格子状(12分割)で統一されている他、換気用のルーバーが追設されている。車内は両先頭車がダイニングカー、中間車がライブキッチンという構成になっている。ライブキッチンにはピザ用の窯が2基備え付けられており、これは他の所謂「レストラン列車」には見られない本車独自の設備となっている。ブランチコースを除き、窯で焼かれたピザがコースのメインディッシュとして提供される。なお、ライブキッチン車両の端部にもダイニングテーブルが8席分設けられている。ダイニングカーはカジュアルレストランを彷彿とさせる内装となっており、筑後地方の「ものづくり」を発信するため、天井には八女産の竹を用いた竹細工が施され、妻部の壁面には城島瓦が用いられている。更にダイニングチェア等には大川家具が採用された他、窓間の壁面には「筑後川と沿線の自然」をテーマにしたパネルが貼られる等の演出がなされている。なお、床材にはバラスト加工による人造大理石を用いており、鉄道車両らしさの演出もなされている。なお、先頭車車端部には西鉄の車両としては初めてトイレが設けられており、このうち大牟田方(1号車)は車椅子対応となっている。この「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は2019年3月に営業運転を開始した。基本的には金土日祝の運行となり、西鉄福岡→太宰府間の「ブランチコース」、西鉄福岡→大牟田間の「ランチコース」、大牟田→西鉄福岡間の「ディナーコース」の3つのコースを1日のうちに各1回運行する。それぞれのコースでは、主に福岡県産を中心とした素材による料理、飲料等が提供される。

 2019,11,03 大 橋


■Variation
 太宰府線に入線する「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」。キッチンを有する中間車のキッチン側は窓が全て埋められている。

 2019,11,03 西鉄二日市
2021/01/02